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2021年10月4日−8日の市場展望

2021年10月1日の東京株式市場は5営業日続落しました。
終値は前営業日比681円59銭(2.31%)安の2万8771円07銭でした。
米国市場が3指数揃って下げ、
日本市場はその流れを引き継ぎ、売りが先行してスタートしました。
下げが一服するような場面も見られましたが、
午後に入ると下げ幅を拡大、菅総理が退陣表明をした
水準以下に戻って取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】
米国市場は3指数揃って下げました。
ダウ工業株30種平均は大幅に反発して、
前営業日比546ドル80セント(1.6%)安の3万3843ドル92セント、
ナスダック総合株価指数は5営業日続落して、
前日比63.859ポイント(0.4%)安の1万4448.582で取引を終えました。

朝方は買いが先行してスタートしましたが、
いくつかの悪材料が重なって
午後に入ると下げ幅を拡大しました。

FRB のパウエル議長が「苛立ちを覚える」と言及するほど
サプライチェーンの問題が市場を圧迫し、
四半期末で手仕舞い売りが出やすいというタイミングの問題も重なりました。

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【日本市場の動向】

日本市場は前日の米株式市場で主要3指数が
そろって下落した流れを引き継ぎ、
売りが先行してスタートしました。

米国の債務上限問題をはじめとする、
先行き不透明感が投資家心理を悪化させ、
590円安で前場を終えました。

午後の寄り付き直後も下げ幅を拡大して
マイナス700円近くの下げ幅を見せる
場面まで進み、強く反発する姿をみせずに
取引を終えました。

鉱業のみが上昇、その他32業種が下落する
全面安の展開となりました。
金属製品、その他製品、機械などの
景気敏感株の下げが目立つ一方、

倉庫、卸売など内需一角にも売りが目立ちました。

日経の日足は前日の終値から
下放れしてスタート、そのまま大きく下げる
陰線を形成しました。

安値では75日移動平均線及び200日移動平均線が
重なっているところまで進んで下げ止まったので、
この2つの指標が強く意識されている事が読み取れます。

来週はこの下げ止まりが
支えになって反転して上昇するかを
確認します。
大きく下げてきてはいますが、
今は割安だと思って買いを入れる
場面ではないことを念頭に入れておきましょう。

東証1部の売買代金は概算で3兆5442億円、
売買高は13億8443万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1981、
値上がりは173、変わらずは20でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

名実とも10月相場入りとなった金曜日、
9月2日以来、約1カ月ぶりの安値となって
今週の取引を終えました。

日本市場は今週をもって振り出しに戻ったと言えます。
菅総理が退陣を発表してから
強く上昇しましたが、
今週の下げでその上昇分のほとんどをなくしてしまいました。

米国の債務上限問題、中国の不動産企業の問題など
外部要因で下げを強めることは仕方ないとして
今回の深い下げは国内要因も少なからず入っていることを
否定することはできないでしょう。

政策期待でここまで上げてきて、
「バランスの取れる人物」として外国人投資家も
期待していた岸田新総裁の人事案をみて
「やっぱり?」と失望が広がったことは
日本市場にとっては痛い材料です。

「旧態依然」という言葉以外に
中々適切な表現が見つからない流れをみて、
やはり日本に真の意味での変革が訪れる日は
まだ遠いと感じることで資金を引き上げる事態につながりました。

とは言って、日本市場がずっとくらいかというと、
企業業績に比べて割安感は依然強く、
アフターコロナーへの期待は
市場を支える十分な要因となるでしょう。

つまり、政治に対する期待は終焉、
(政治と金の問題は”寝耳に水だった”と証言する
人物を重用する政治に期待ということは相応しくないでしょう。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20211001-OYT1T50194/ )
純粋な企業と民間の力で株価を支える構図、
9月3日以前の水準に下がってしまった株価が
その構図をモノ語っているようです。

1週間で1500円近くを下げてきたことから、
来週は値頃感に着目した反発を試みる展開となります。
政治のことを散々述べましたが、
それでも経済政策への期待は根強く、
日本株を支える要因となります。

リスク要因はやはり米国のインフレ懸念、中国の景気動向です。
特に米国市場は金利上昇、インフレ懸念ですでに調整に入っており、
このまま下げトレンドへの転換となる場合は、
日本市場への下押し圧力として影響してくることが予想されます。

緊急事態宣言解除の週末、人が動き、経済が動き始めたのは
街を歩くだけでも実感できたことなので、
引き続き「コロナーの後」を飾る業種に注目です。

旅行、レジュー関連にはすでに短期的な過熱感が出ているほどですが、
一回押し目を形成すると買いとチャンスだと捉えるべきでしょう。
ただし、東南アジアの稼働状況がまだ回復せず、
10月以降も減産のみこみとなっている自動車業界には
慎重になる必要があります。

来週の注目指標は
10月8日の金曜日に集中しています。
まず国内のDI(景気ウォッチャー調査の現状判断指数)。
8月に新型コロナウイルスの感染急拡大で
大幅に悪化した分、9月の現状判断指数は、
上昇が予想されます。

ただし、改善の数字は小幅に止まる見込みです。
自動車業界の解説でも触れた通り、
サプライチェーンの混乱が続き、
新型コロナの感染拡大は9月にも続いたことが
小幅にとどまると予想する理由です。

次は金曜日の夜に発表される
米国の雇用統計。

8月は市場予想を大幅に下回りましたが
9月の非農業部門雇用者数は前月の伸びを大幅に
上回る見込みで、市場予想を下回らない場合は、
市場の回復につながる可能性が高くなります。

その他、注目されるイベントは
月曜日からスタートするノーベル賞関連で、
毎年騒がれる「ノーベル賞関連銘柄」には
短期的なトレードで入ると割り切るのがよいでしょう。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,771.07 -681.59(-2.31%)
ドル・円
111.04 – 111.06 -0.83(-0.74%)
ユーロ・円
128.72 – 128.77 -1.10(-0.84%)
ユーロ・ドル
1.1590 – 1.1594 -0.0014(-0.12%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,326.46 +482.54(1.42%)
S&P500種
4,357.04 +49.50(1.14%)
ナスダック
14,566.697 +118.115(0.81%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/topics/

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