2019年7月9日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比30円80銭(0.14%)高の2万1565円15銭で終えました。
利下げ期待が後退したことが引き続き米国市場を押し下げ、
日本市場に波及するが、商いは低調で様子見が続く流れが定着しています。
6日連続で2兆円を割り込み、まだ様子見を強いるイベントが待っている中、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は2日続落しました。
ダウ工業株30種平均は2日続落して、
前営業日比115ドル98セント(0.4%)安の2万6806ドル14セント、
ナスダック総合株価指数も2日続落して
前営業日比63.409ポイント(0.8%)安の8098.382で取引を終えました。
雇用統計の好調な結果により、
利下げへの期待が後退したことが引き続き売り要因になりました。
5日を休みにしていたトレーダーが多く、
8日の休み明けでも売りを出す流れが続きました。
サウジアラビアの航空会社が50機以上の契約を
取り消したと伝わったボーイングや、
iPhoneの販売が低調だと評価されたアップルの2銘柄が
市場を押し下げたことも下落の要因になりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は円安を背景に投資家心理が改善、
買いが先行してスタートしました。
米国の長期金利が上昇、日米の金利差に着目した
円売り・ドル買いが進み、円安に振れたことで買いが進む一方、
アップルの不振が伝わりアップル関連の電子部品、
米国市場で半導体関連に売りが広がったことを受け
半導体関連が売られるなど、
マイナスに転じる場面もあり、上昇幅は限定的でした。
水産、食料品、小売などの内需系が強くなったことに加え、
保険、証券、銀行業などの金融セクターにも買いが入りました。
先週は上昇率1位をキープしていた海運業に売りが出て下落率1位、
繊維、ガラス、化学などの素材系にも厳しい売りがでました。
商いは6日連続で2兆円を割り込み、
東証1部の売買代金は概算で1兆6697億円、
売買高は9億8863万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は664、
値下がりは1399、変わらずは86でした。
日経の日足は長い上下ヒゲを持つ短陰線を形成しました。
高値と安値は切り上げ、形の上では上昇しましたが、
200日線に終値が抑えられ、抵抗にあうサインを出してきました。
2018年10月2日から12月26日までの下げ幅に対する
半値戻しを達成してから本日は実体を持って下離れ、
前日7/8の安値を下に抜けて下がると再び調整は深くなります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
中々落ち着かない相場です。
市場を支配しているのは「利下げ期待の後退」の懸念。
この懸念は皮肉な現象も生み出しています。
雇用統計が市場予想を上回るというのは景気の拡大につながるということで
普通は好感される材料ですが、
利下げが市場に役立つという見方が強いことから、
市場が下落、その影響が日本に波及するという状況が続いています。
日本市場は2兆円に届かない低調な商いが続いていることから
ポジションを入れずに観望している投資家が多い状況です。
決算発表が控えていることに加えて、
FRB議長の議会証言が控えているなど、
「待って」と呼びかけるイベントはまだまだ残されいるので、
現在は材料のある銘柄を短期で売買するか、
ニュースに左右されにくいディフェンシブ銘柄を中心として
物色するのがよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,565.15 +30.80(0.14%)
ドル・円
108.79 – 108.80 +0.45(0.41%)
ユーロ・円
121.90 – 121.94 +0.22(0.18%)
NYダウ(ドル)
26,806.14 -115.98(-0.43%)
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