2015年4月30日の東京株式市場は大きく下落しました。
終値は前営業日比538円94銭(2.69%)安の1万9520円01銭でした。
米国・欧州など世界的な株安に加え
追加金融緩和を期待していた市場の期待が叶わなかったこと、
大型連休を前に持高の調整でポジションを手仕舞う動きが重なり
去年2月4日の610円下落以来の大きな下落になりました。
市場関係者のシナリオに沿わないファンダメンタル指標が
欧米市場の同時安を招きました。
まず欧州では、ドイツの4月の消費者物価指数(CPI)が
前年同月比0.3%増と事前の市場予想(0.2%増)を上回りました。
デフレと決め込んで、量的金融緩和が続くと見込んで
欧州株買いを続けた投資筋には好ましくないニュースで
売りが広がりました。
まだ何か変わった訳ではありませんが、
量的金融緩和の縮小論が浮上するのではないかという思惑が広がり、
総じて安く推移しました。
一方、米国の状況は量的金融緩和が年内にも終わるとの
シナリオが崩れてきました。
29日に発表された2015年1~3月期のGDP(国内総生産)伸び率は
前期比年率0.2%増と市場予想を大きく下回りました。
景気回復を背景に広がっていた量的金融緩和の終了というシナリオが崩れ、
米景気の失速を印象づけてしまいました。
■海外主要指標の動き
NYダウ工業株30種(ドル) 18,035.53 -74.61(-0.41%)
ナスダック 5,023.644 -31.778(-0.63%)
英FTSE100 6,932.06 -14.22(-0.20%)
独DAX 11,432.72 -378.94(-3.21%)
日本市場は200円を超える下げ幅で始まり、
一方的に下げる動きで、今年最大の下げ幅を記録しました。
①シナリオが崩れ大きく揺らいだ欧米市場の同時安
②日銀の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めたことで
追加緩和を期待していた一部の短期筋の売りが広がったこと
③大型連休を控えて買いづらい状況の中、持高を手仕舞う動き
大きく3つの要因が重なり下げ幅を拡大させました。
日本市場に対しては「量的金融緩和が続く」との
シナリオが崩れていないことから、
現在の調整は5月を取り巻く短期的な調整に終わる可能性が高く、
企業業績の好調さまで加わると、今の調整は
節目を待っていた投資家にとってはむしろチャンスではないでしょうか。
日本市場に資金を投じてポジションは変えないのが
現在私の戦略です。
テクニカル的にみると、25日移動平均線を終値では
ほぼ1ヶ月ぶりに割り込み、短期的な調整は余儀なくされそうな
形になってきました。
今日の下げ幅で市場に恐怖が広がるなら、節目とした1万9,000円台を
割り込み1万8,000円台までの深い調整も考えられます。
明日からは“売ってどこかに行け”と言われる
伝統的に下落の季節5月です。
調整が続き、自分が損をしているなら、自分だけではない可能性が高いです。
好ましくない状況が続くところでは
相場を休むのもりっぱな戦略になることを忘れないでくださいね。
それがプロとは異なる個人投資家の自由であり、強みです。
東証1部の売買代金は概算で3兆4727億円、
SQ算出日を除くと昨年11月5日(3兆5458億円)以来の多さ。
売買高は27億1949万株で、東証1部の値下がり銘柄数は1464(全体の約78%)
値上がり銘柄数は337、変わらずは81でした。
■各市場の動き
日経: 19,520.01 -538.94 30日
NYダウ(ドル) : 18,035.53 -74.61 29日
ドル/円: 118.93 – .96 -0.09円高 30日