2015年7月9日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比117円86銭(0.60%)高の1万9855円50銭でした。
ギリシャ問題の不透明な展開と、中国市場の不安で
昨日の暴落に引き続き本日も大きく下げて始まりましたが、
上海株の大幅な反発を確認して大きく切り返しました。
しかし、問題解決とは到底思えない規制で下げを止めたことにすぎず、
波乱要因はまだまだ残っている状況なので、積極的に戻りのポジションを
とることも難しいのが現状です。
日本市場は昨日の−638円に引き続き、
不透明さが残るギリシャ問題と、中国株の連敗で
本日も大きくさげて取引を始めました。
ほぼ投げ売り状態で始まり、一時−622円まで売られる場面も見られました。
しかし2日に渡って1,200円以上下げる売り一巡後は
下げ幅を縮小し、プラス展じた後は+117円の19,855円で
取引を終える変動性の高い相場を演出しました。
安値から高値までの一日の値幅はなんと740円、
(19,115円から19,855円まで)
力強い相場というよりはニュースに踊らされるファニックファンダメンタル市場だと
言えるような動きです。
プラス圏に浮上した最大の原因になったのは上海市場の急激な反発。
しかし、それがむしろ不安要因として残る形になりました。
中国当局が株式市場の暴落を止めるためにとった措置は2つ。
1. 上海・深センの取引所に上場している企業で売買を停止
7月8日時点での集計では1,300社を超え、9日にもさらに追加されました。
取引ができなければ、それは下がるはずないでしょうとしかいいようがない
大胆な動きですね。
2. 上場企業で保有株式5%以上の株主には、今後6か月売りを禁じる
これも、売らせなければそれは下がらないでしょうといいようがないですね。
2つの措置でパニック相場に歯止めをかけたものの、
普通の株式市場では考えられないこれらの施策を実施したことで、
市場に対する信頼自体を揺るがしたことになります。
そういった意味で「ホームレスのじいちゃん、ばあちゃんも携帯で株取引」と言われるほど
株式バブルという根本原因の解消には至らず、
波乱要因は温存されることになりました。
よって、本日後場に入っての猛烈な巻き返しは、日本市場本来の強さより
ニュースに踊らされ激しく動く、変動性の高さの中での動きだと言えます。
反発したからといってすぐ飛びつくような投資行動は
まず控えたよいと判断されます。
しっかり上昇への転換を確認してから動き出しても遅くありません。
まずキャッシュを守って、次の動きまでじっくり待つことが
有効な戦略の1つでしょう。
■各市場の動き
日経平均(円): 19,855.50 +117.86 +0.60%
NYダウ(ドル): 17,515.42 -261.49 -1.47%
ドル(円): 121.36-38 -0.29円高 -0.24%
ユーロ(円): 134.00-02 -0.39円高 -0.29%