2015年7月10日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比75円67銭(0.38%)安の1万9779円83銭でした。
材料不足の中、週末要因でポジションを外しておく動きと
新たに提出されたギリシャの改革案が審査される12日までは
様子を見たいというムードが市場全体の上値を抑えました。
下落とはいうものの1日中方向感の欠ける展開が続きました。
前日の米国市場が方向感のない展開になることに加えて、
週末要因と様子見ムードが絡みあった結果です。
米国市場は反発して、
ダウ工業株30種は前営業日比33ドル20セント(0.2%)高の1万7548ドル62セント、
ナスダック市場も反発して
前営業日比12.636ポイント(0.3%)高の4922.397で取引を終えました。
当局の介入によって中国株の下げが一服したこと、
欧州ではギリシャが新たな 財政改革案を提出したことによる
欧州株の堅調ぶりで大きくあげる場面もありました。
ダウ平均は249ドルまで上げ幅を拡大させる場面もありましたが、
引けにかけて手仕舞う動きと、様子見を決め込んだ動きで
上げ幅を縮小しながら取引を終えました。
日本市場も米国市場に似たような動きで、
中国株の下げ一服、米国市場の反発を受け、買いが先行しました。
前場で100円を超える上昇幅を見せる場面もありましたが、
12日に予定されている主要イベントを控えて
様子見ムードが広がると共に、週末要因でポジションを閉じておく動きが重なり
次第に沈み、下落して引ける結果になりました。
波乱の多い一週間でした。
まず波乱の始まりはギリシャ問題、
EUが求める緊縮策の受け入れを問う国民投票が大方の予想をひっくり返し、
否決されることになりました。
次は中国市場のバブル崩壊の始まり。
上海総合指数はピーク時である6月12日の5,166.35ポイントから、
7月8日には3,507.192ポイントまで下落、
多数の自殺者まで出す惨事になりました。
この2つの事件を受け、日本株は方向感の定まらない乱高下を繰り返し、
7月6日に427.67円安の、7日は小幅反発、
8日は 638.95円安で今年最大の下げ幅を記録しながら19,737.64円で終了。
この日をもってついに心理的支えとして認識されていた 2万円台を割り込みました。
面白いのは9日で600円を超える下落まで売られたあとは、
700円以上を戻す驚異的な波乱ぶりを演出しました。
さて、過去は過去のことで、これからの展望に移りましょう。
ギリシャ問題にしろ、中国市場のバブル崩壊にしろ、
日本市場への「内部」的な要因には限定的な影響しか与えないと判断しています。
日本企業は業績改善が続いている上に、
ギリシャ経済の規模と、どうせ歩み寄ろうとするEU側の努力をみたら
なんとなく落とし処が見えてくる感じです。
また中国市場は外国人が60%以上を占める日本市場と異なり、
外国人は2%程度しかいなく、大半は中国国内の個人投資家です。
しかもその個人投資家の多くの割合は「投資」ではなく、
「投機」を目的にする不健康な投資家です。
中国指数や銘柄を中心としてポートフォリオを組むETFやファンドの
パフォーマンスには大きく影響するものの
日本市場への影響は限定的だと判断できます。
上記のことを踏まえると、ファンダメンタルを中心として
指標のしっかりした会社が押し目の水準まで下げてきている場合は
「買い場」と思っています。
テクニカル的に眺めると市場全体の動きを反映して、
長い下ヒゲでサインとなる移動平均線(75日、25日)を
タッチしてから陽線を作っている銘柄が非常に多い状況です。
押し目の位置からトレンドの転換が確認できる動きを見せる
銘柄を中心に物色したいですね。
来週の注目ポイントは週末の12日に予定されている緊縮案の受け入れ決定ですね。
反乱含みの一週間お疲れ様でした。
久しぶりに空売り以外のポジションをほとんど持たずに
過ごす週末になりそうです。
週末くらいはみなさまも相場から離れてリフレッシュしてから戻ってきてください。
よい週末を!
■各市場の動き
日経平均(円): 19,779.83 -75.67 -0.38%
NYダウ(ドル): 17,548.62 +33.20 +0.19%
ドル(円): 121.95-98 +0.65円安 +0.54%
ユーロ(円): 135.48-53 +1.62円安 +1.21%