2015年7月8日の東京株式市場は大きく下げました。
終値は前営業日比638円95銭(3.14%)安の1万9737円64銭でした。
終値ベースでは6/18以来、2万円台を割り込み
下げ幅は今年最大です。
ギリシャ問題の懸念が進展したり、後退したりでニュースに踊らされる局面の上に、
お隣中国の株式市場も暴落を続けることで、
悪材料が揃った状態で、心理的節目とされていた2万円も割り込みました。
今年最大の下げ幅を主導したのは3つの悪材料が揃ったことでした。
1. 寄り付きは下げは、不透明感の強いギリシャ問題
前日の夜に開かれたユーロ圏首脳会議では
ギリシャへの支援協議が難航する結果で投資家が様子見を決め込みました。
2.バブルが弾けた中国市場の不安定
1の要因で下げた後はすぐに押し目買いが入り落ち着きを戻すかのようにみえましたが、
上海市場が始まってからは一変、4ヶ月ぶりの安値を記録するほど
一時8%安を記録するなど暴落をすると、当面日本市場にも上昇の見込みはないと
判断した投資家による売りが継続しました。
今は世界金融市場に大きい影響を与えるのはこちらの中国要因です。
3. リスク回避で安全資産に分類される円買いが進行
金融市場に波乱が起きる時にいつも起こることで、
安全資産と分類される円への買いが進行、円高が急速に進みました。
コマツなど中国関連株に加えて、円高による業績悪化を懸念して
輸出関連株全般に売りが広がり全業種に渡って下落が加速しました。
以上が外部要因による下げで、最後は心理的な要因も加わりました。
4. 2万円という心理的節目が崩れることで支えが崩壊
今は下値のめどとして2万円が意識されていたので、
その線が崩れると投資家心理の悪化は加速します。
今日の下落で2万円を割り込むと、売りが売りを呼ぶ連鎖で
下げ幅を拡大しました。
テクニカル分析はもはや不要なほど、
投資家心理が全面的に悪化しており、明日良いニュースが出てまた上がるとしても
当分は安心できない状況が続きます。
(昨日の上げ幅と一変した今日の動きをみれば不安定さがわかります。)
ここからの戦略です。
このような状況でも上昇銘柄を見つけて
利益を上げる神業的な腕を期待するのもいいことですが、
市場全体の状況が良くない時は素直にポジションを外して
市場が回復するまで待つのが個人投資家にはベストだと言えます。
または、流れにそって空売り戦略に転換するのも
有効な戦略です。
ギリシャ問題だけなら1-2週間ほどの調整を見込んでおりましたが、
中国の調整まで含めると不透明さは増しており、
明確な転換が見られるまでは、一つの方向に乗せることが
非常に難しい状況です。
たまには相場から離れて、客観的な目で眺めるようにしましょう。
■各市場の動き
日経平均(円): 19,737.64 -638.95 -3.14%
NYダウ(ドル): 17,776.91 +93.33 +0.53%
ドル(円): 121.58-60 -1.14円高 -0.93%
ユーロ(円): 134.12-16 -0.94円高 -0.70%