2016年1月7日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比423円98銭(2.33%)安の1万7767円34銭でした。
1万8,000円の節目を割り込んだこと、
大発会からの続落記録を4日に伸ばしたことで、
投資家心理が冷えきっています。
中国景気の先行きに対する不安や北朝鮮の水素爆弾実験で
高まる地政学的リスクが意識され大幅に下落した米国市場の流れを引き継ぎました。
テクニカルの形としては前日の安値を明確に割り込み、下げが加速しています。
「ここまで下げたらもうそろそろ?」と決して安易に考える場面ではありません。
次の節目に対する見解を含め、詳しい解説は本文で続けます。
前営業日の米国市場は小幅に反発した直後、大幅に下落しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に下落して、
前営業日比252ドル15セント(1.5%)安の1万6906ドル51セント、
ナスダック総合株価指数は5日続落して、
前営業日比55.665ポイント(1.1%)安の4835.765で取引を終えました。
中国景気の先行きに関する懸念が引き続いた上に、
前日に世界の株式市場を凍らせた北朝鮮の核実験で
地政学的リスクが高まることを受け、
投資家心理が萎縮されたことが大幅な下落につながりました。
ダウは節目として認識されていた1万7,000ドルを割り込むことで、
テクニカル的にも佳境を迎えることになりました。
日本市場は続落がほぼ決まった形として予想され、
売りが先行してスタートしました。
しかし、大幅な続落にはならず、最初は前日の安値を前に下げ止まり、
100円の下げ幅の中で推移しました。
下げが広がったのは中国市場の動きでした。
午前の中国・上海株式相場が前日比7%超と急落したことで、
「サーキットブレーカー」が再び発動、本日の取引がすべて停止されました。
その影響で日本の市場も急落、前場を-324円を終えました。
後場に入ると下げが加速、1万8,064円まで下落した前日の動きは
節目の1万8,000円台が意識され下げ止まる形ですが、本日で明確に割り込みました。
下落基調が続く際は節目を割った時点で下げが早まる心理が働くので、
引き続き警戒が必要です。
節目の1万8,000円を割り込んだので前日の解説通り、
次の節目は2015/10/15の安値1万7,758円です。
1月の後半にかけて、下値を探る展開が続くと予想していますが、
不気味なことに現実になりつつあります。
信用買いの評価損益率が-12%を超え、追加委託保証金(おいしょう)が
発生して売りが加速する場面なので、
この動きが2-3日続いてから一旦底を打つ可能性があります。
いずれにせよ戻りには時間が必要とされるので、
引き続き空売りを有効活用するポートフォリオ戦略が有効だという見解を
続けていきたいと思います。
■各市場の動き
日経平均:17,767.34 -423.98 -2.33%
NYダウ(ドル):16,906.51 -252.15 -1.47%
ドル(円):118.65-70 -0.08円高 -0.07%
ユーロ(円):127.90-94 +0.50円安 +0.39%