2016年4月18日の東京株式市場は大幅な続落になりました。
終値は572円08銭(3.40%)安の1万6275円95銭でした。
先週は円高一服、原油市場の回復をバネに、1,026円上昇しましたが、
G20を受けて円高の動きに巻き戻されたことや、
原油増産凍結も見送りになったことで原油安が広がり
日本市場の下げを加速させました。
これからの課題として認識すべきことを含め
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は小幅な反落になりました。
ダウ工業株30種平均は小幅の反落になって、
前営業日比28ドル97セント(0.2%)安の1万7897ドル46セント、
ナスダック総合株価指数は小幅の続落になって
前営業日比7.670ポイント(0.2%)安の4938.216で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均が5ヶ月ぶりの高値になったことを受け、
利益確定に傾き、売りが広がりましたが、
下値を積極的に売り込む動きも限定的でした。
最近反発の色が強かった原油も、再び安値を切り下げる動きで
エネルギー関連株に売りが出たのも下落の要因になりました。
日本市場ではポジティブな要因を見つけるのが難しいほど
市場状況が芳しくない状態で、売りが先行して-327円で始まりました。
先週は円高一服をきっかけに、外国人投資家が出遅れの日本株を
買う動きも手伝い、日経平均が1週間で1,026円上昇して、16,848円で引けました。
今週もそのような動きを期待しましたが、
状況は明るくは見えません。
今週の注目ポイントをまとめると3つ
1. 円高の継続:米国がドル安(円高)を容認する姿勢を強めることで
市場では「円高が継続する」とのシグナルとして伝わり、109円台の相場が
いっきに107円台に進みました。
2. 熊本地震の影響
最初の地震では影響が限定的だと想定されましたが、
16日に起きた地震が「本震」として定義され、被害が拡大したこと、
それによってトヨタ、ソニーなどの生産に支障がでることで、
市場全体への下げ圧力が懸念されます。
3. 原油相場の不安定な動き
節目となる1バレル40ドルを突破した後は再び抵抗にあっています。
そして、17日に主要産油国がカタールのドーハで増産凍結などを巡って協議が
ありましたが、 各国の見解が一致せず、合意を先送りしました。
この合意先送りを受け、原油相場は急落、本日の東京株式相場も
大きく下げる要因になりました。
テクニカルうんねん以前に、これらのファンダメンタルズ的な問題は
すぐには解消される問題ではなく、ニュース一つ一つで市場を動かす
「神経質のもと」になるものです。
さらに円高の動きはこれから始まる決算の内容を
厳しいものにする要因になります。
(決算前にこのように為替相場が荒れると、
経理・財務は想定レートの算定と、来年の業績予想修正などで
ほぼ毎日徹夜です。→余談です)
先週末伝えたテクニカルな注目ポイントとしては
「一目の下雲の上辺に近づいていることから、ここを抜け出して、雲抜けになるか、
それともここで抵抗にあって、一旦調整に入るかです。」と書きましたが、
抵抗にあって、一旦調整に入る動きになりました。
市場の地合い上、材料で物色が進む神経質な動きが続くのが
予想されるので、この状況で注目を集めるのはどこなのかを
よく考えてみる必要があります。
東証1部の売買代金は概算で2兆1312億円、
売買高は21億8206万株で、商いはまだ盛り上がりません。
東証1部の値下がり銘柄数は1696、
値上がりは209、変わらずは47銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均:16,275.95 -572.08 -3.40%
NYダウ(ドル): 17,897.46 -28.97 -0.16%
ドル(円):107.93-94 -1.36円高 -1.24%
ユーロ(円):121.76-80 -1.28円高 -1.04%