2016年6月23日の東京株式市場は上昇しました。
終値は172円63銭(1.07%)高の1万6238円35銭でした。
BREXITの国民投票が目前に迫ったことで、
小幅反落はしたものの、方向感の無い動きになった米国市場の
動きを引き継ぎ、日本市場にも様子見ムードが広がりました。
歴史的な出来事を目の前にして、ある意味当然といえば当然の動きです。
明日からの動きに備えての戦略も解説の中に入っているので、
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落して、
前営業日比48ドル90セント(0.3%)安の1万7780ドル83セント、
ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落して、
前営業日比10.444ポイント(0.2%)安の4833.319ポイントで取引を終えました。
目前に迫った英国の欧州連合離脱(BREXIT)の結果を極めたいという気持ちで、
様子見の雰囲気が強い相場で、方向感の出にくい状況でした。
リスクオフの姿勢が強まり、VIX指数も節目の20を超えることで、
投資家たちの恐怖が強まっていることを表しています。
日本市場は小幅続伸したCMEの225先物、
65円高く始まったSGX(シンガポール)の動きにさや寄せする形で
小幅の動きで始まり、上昇・下落、方向感の無い展開で推移しました。
午前中は方向感の無い展開になり、
BREXITの結果が24日にも出ることで、
全世界市場同様、結果を極めたいとの様子見ムードが
市場全体を覆っていました。
上に抜けようが、下に崩れようが、いずれにせよ
BREXITの結果が出て、為替の動きが決まり、
欧州と米国市場の反応を伺いながら日本市場も次の動きを
決めてくる動きになります。
テクニカル分析です。
前日までは、大陽線、大陽線に包まれる上下ヒゲ付きの陰線、
本日も上・下、明確な方向性の出ない持ち合いを続けました。
様子見ムードを続けている相場から考えたら当然の動きといえます。
今週は大きな陽線に包まれる持ち合いが続いた後、
明日から方向性がでる動きになりでしょう。
選挙も目前に迫ってきたので、シナリオを分けて考えてみます。
今週に入って巻き返したきた残留派が勝利する場合は、
早速上昇モードに切り替わり上げていくと思います。
前回の高値付近で節目として認識される1万7,400-1万7,500円を目指す動きになりますが、
一気にすんなり上がることはなく、
安値を切り上げてくるパーティションの下と75日線が位置する
16,612円付近で一回抵抗にあう動きが想定されます。
ここまで上昇して、16,612円付近反転して下げると、
パーティションの逆転現象に入ると同時に
7月の夏バテ相場に入ることになるので、少しは時間もかかるでしょう。
次、離脱が決まる場合は、
リスクを意識したポンド売り・円買いが進み、円高基調、
そして株価下落へと繋がるでしょう。
2017年業績予想で企業は105円-110円を想定しているので、
105円より円高が進む場合は、業績への影響が嫌気され売られるのが
株価下落へつながる理由です。
下降時の下値の目処は1万4,600円-1万4,500円あたりになるとみこんでいます。
ファンダメンタル的にさらに考えてみます。
BREXITへの懸念は明日で解消されるとしても、
まだリスク要因は残っています。
今年の主要材料としてずっと意識されている
米国の利上げ(早期の利上げ懸念は払拭されましたが)、
中国経済の先行きに対する不透明性などが依然市場には残っています。
その後は本格化する米国大統領選を睨んでの顔色伺いなど、
夏バテ相場を形成するには絶好の要因が引き続き待ち構えています。
テクニカル・ファンダメンタルをまとめた戦略判断です。
「今のうちに買いを仕込んでおかなくちゃ」、
「離脱に備えて空売りじゃ!」など、焦りの声や誘いのメールが沢山届きますが、
今の状況で「ここだ!」とポジションを傾けるのは
博打と変わらない行動です。
例え明日は暴騰、暴落するかも知れませんが、
早いうちにそのような急激な動きは訂正されます。
方向を確認して入っていても全く問題ないので、右往左往せずに
じっくり経緯を見守るのが賢明な行動だと言えます。
焦らずに資金を温存した後、BREIXIT後に残留が決まり、暴騰→短期調整の場合は、
輸出関連・大型株を中心にポートフォリオを組みます。
■各市場の動き
日経平均: 16,238.35 +172.63 +1.07%
NYダウ(ドル): 17,780.83 -48.90 -0.27%
ドル(円): 104.84-85 +0.46円安 +0.44%
ユーロ(円): 118.76-80 +1.09円安 +0.92%