2016年7月25日の東京株式市場は小幅に3日続落しました。
終値は6円96銭(0.04%)安の1万6620円29銭でした。
米国市場は反発しましたが、本格化する日本企業の業績発表や
金融政策をめぐっての発表を見極めたいとの様子見ムードが
市場を強く支配しました。
今週のチェックポイントや投資戦略について説明しているので、
本日も最後までしっかりお読みください。
米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比53ドル62セント(0.3%)高の1万8570ドル85セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比26.258ポイント(0.5%)高の5100.162で取引を終えました。
米国市場の注目も今週末に予定されている
主要イベントに集まっています。
史上最高値を連日で更新してきましたが、直近の2週間は持ち合いの形になっています。
ここからの反発を期待することもいいですが、
サイコロジカルラインが過熱を表す75を超え、83.33まで高まっていることなど
過熱感を示す指標が3月以降で最高値に達しているので
深い調整の可能性には備える必要があります。
日本市場は米国市場の米国市場の動きを受けるも、
基本的には方向感をつかめない様子見相場になりました。
政策期待から強く買われる場面もあり16,778円まで進みましたが、
短期の利益は早速確定して、週末のイベントに備える動きが広がりました。
今週の動きについてまずファンダメンタル分析をしてみます。
市場の注目ポイントは日米の金融政策と業績
1. 米国:FOMC(金融政策決定会合)の結果発表 27日水曜日(日本時間28日)
今月初めに発表された雇用統計やISM景況感指数などが
市場予想を上回る結果となって米国景気の回復を印象づけました。
普通なら利上げの期待があり円安に振れる可能性を探りますが、
BREXITによるその可能性は遠のいたと考えられます。
特別な発表がなければ円安に振れる可能性が少なく、日本市場にはインパクト薄でしょう。
2. 日本:日銀の金融政策決定会合29日金曜日
黒田総裁が「ヘリコプターマネー」の可能性を否定することで市場は
-180円で答えたのが先週の出来事。
ヘリコプターマネーほどの政策は期待できないとしても、
ある程度実行性のある強力な政策が期待されています。
これといった政策がないか、しどろもどろした内容の場合は
市場の失望により株安を招く可能性が高いです。
3. 日本企業の業績
円高による業績悪化が懸念されてきました。
その結果が先週よりぽっつりと出始めていますが、
思った通りの結果になっています。
しかし、不思議なことに市場は上昇トレンド中。
つまり業績悪化はすでに予想されていたことなので、
市場に織り込み済みということになります。
投資戦略です。
どちらにしろ市場の注目は日銀の発表内容に集まっています。
業績発表も重なっているので、大きなポジションを新たに立てて
すべてがベストな前提になることを祈るのは無謀な戦略でしょう。
ポジションを小さくしてイベント通過を待ちましょう。
とは言って、期待以上の政策が発表される可能性もゼロではないので、
空売りポジションに関しても、設定したロスカットラインには
しっかり注文を入れておき、買い戻しの一時的な暴騰に備えることが必要です。
注目セクターは市場が不透明な時期に資金が向かいやすい
電気・ガス・倉庫などの公共財、インフラ関連です。
また任天堂は米国でダウンロード数に陰りが見られ始まるなど、
ブームが収束する兆しで失速しはじめています。
(本日はストップ安)
授業でも伝えた通り、一方的に上げる動きは終了、
ニュース一つで敏感に動き時期に入ったので、
大量のポジションを持っている場合は軽くしておくなどの調整が必要です。
東証1部の売買代金は概算で2兆314億円、
売買高は16億8540万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は697、
値上がり銘柄数は1166、変わらずは105銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,620.29 -6.96 -0.04%
NYダウ(ドル):18,570.85 +53.62 +0.28%
ドル(円): 106.12-13 +0.02円安 +0.01%
ユーロ(円): 116.45-49 -0.53円高 -0.45%
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