2016年9月7日の東京株式市場は反落しました。
終値は69円54銭(0.41%)安の1万7012円44銭でした。
前日米国で発表された経済指標が市場予想を下回り、
追加利上げ観測が後退しました。
その反動でドルが売られ(ドル安)円買いが進み、
急激な円高になったことで、大型・輸出株を中心に売りが広がりました。
円高リスクは常に意識されていたことですが、
ここからの確認ポイントは別のところになります。
そのポイントは?本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は3連休前から3日続伸になりました。
ダウ工業株30種平均は3日続伸して、
前営業日比46ドル16セント(0.2%)高の1万8538ドル12セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比26.009ポイント(0.5%)高の5275.908で取引を終えました。
ナスダック総合株価指数は過去最高値を更新しました。
同日発表された8月の米サプライマネジメント協会(ISM)
非製造業景況感指数は市場予想を大幅に下回る51.4の結果。
6年半ぶりの低水準となったことで、指数発表直後は40ドルマイナスまで
売りが広がる場面がありましたが、追加利上げ観測が後退したことが意識され
買い戻されました。
利上げ観測の後退のなると、為替市場の定番メニュー
ドル売り、円買いが進み、急激な円高が進行、
103円台を維持していた対ドルレートが101円台に突入、
これを嫌気してCMEの日経225はマイナスの結果になりました。
日本市場は米国市場の上昇より当然のごとく円高傾向に反応、
輸出関連株を中心に売りが広がりました。
1万7,000円台をキープした前日の終値より144円安い
1万6,937円でスタート、9時6分までは下げ幅を拡大しました。
その後は反発しましたが、寄り付きの価格より大きく離れることなく
111円74銭(0.65%)安の1万6970円24銭で午前の取引を終えました。
午後に入っても午前の終値を挟んでの動きが続きましたが、
2時前後では日銀のETF買い期待が膨らみ、
下げ幅を縮小させながら69円安で引けました。
テクニカル的に日経の日足は上下ヒゲを持つ陽線を形成、
+1σが支えになって、大きく売られる気配はない形になっています。
ここで下がってくると三角持ち合いの上辺に当たる1万6,730円付近を
下に抜けるかが確認ポイントになります。
この値段台は上向きの25日線が上がってきて来週初頭に到達するポイントでもあり、
ここでは支えられる可能性が高いと判断します。
ファンダメンタルとテクニカルを総合して考えると、
円高リスクは常に意識する必要がありますが、
月末の金融政策会合までは買い目線を維持する判断をしています。
売買代金が1週間ぶりに2兆円を超えてきたことも
支援材料の1つとして考えてよいでしょう。
投資戦略としては
取り組んでいる銘柄は材料にも恵まれ、利益になっていますが、
利益確定の注文を引き上げながらついていくことを怠らないでください。
大型・輸出への物色が調整にはいって、内需関連が物色されやすいので
日頃親しみを持つ内需・ディフェンシブ関連株には短期的に
資金をシフトしてみるのも一つの有用な戦略です。
■各市場の動き
主な市場指標
日経平均(円):17,012.44 -69.54 -0.41%
NYダウ(ドル):18,538.12 +46.16 +0.24%
ドル(円): 101.45-46 -1.90円高 -1.83%
ユーロ(円): 114.13-17 -1.20円高 -1.04%