2016年9月12日の東京株式市場は幅のある下落になりました。
終値は292円84銭(1.73%)安の1万6672円92銭でした。
米国の追加利上げ観測が再び強まることで、
金融緩和の継続性に懸念が広がりました。
欧州・米国ともリスクオフの姿勢が広がり
大きく下落した流れを日本も引き継ぎました。
市場の関心は21日に予定されている日米の金融政策会合に集まります。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は大きく下落しました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比394ドル46セント(2.1%)安の1万8085ドル45セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比133.575ポイント(2.5%)安の5125.908で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は7月7日以来、約2カ月ぶりの安値、
ナスダック総合株価指数は7月26日以来の安値でした。
欧州中央銀行(ECB)の理事会で
量的金融緩和の延長に踏み切らなかったことや、
ボストン連銀のローゼングレン総裁が
金融政策の追加利上げに前向きな発言をしたことで、
各国の国債利回りが上昇、株式市場には売りが広がりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
欧米市場の動きを受けて、CMEやSGXの日経225先物は200円を超える下落、
月曜日は200円前後の下落で寄り付くことが予想されました。
前日終値16,965円から217円安くスタート、
下げてくるといつも市場に広がる日銀のETF買い期待で
小幅戻す場面もありましたが、
金利上昇によるリスクオフ姿勢には勝てず、
下げ幅を拡大させました。
364円の下げ幅まで演出したあとは少し落ち着き、
292円安で本日の取引を終えています。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足はギャップあけて始まり、
上下ヒゲを持つ中陰線を形成、下げの圧力が強い形になりました。
短期トレンドの方向性を示す25日移動平均線を半月ぶりに下回り、
支えになっていたボリンジャーバンドの+1σもあっさりと抜け、
-1σで止まりました。
次の確認ポイントは75日移動平均線、
もしくは、一目均衡表の先行スパーン1が位置する
16,196が意識されて反発してくれるかです。
【日本市場の総合分析:今後の展望】
先週末の米国市場が金利上昇を嫌気して下落したことが
大きな要因となった日経、
先週の方向感のない展開から外部要因により当分調整に入る形になりました。
現時点で意識されるのは21日に控えている日米の金融政策発表
米国:FOMCの結果発表、およびイエレン議長の記者会見
日本:日銀金融政策決定会合の結果発表、黒田総裁の総括検証
今回は同日に日米の金融政策発表があることで注目が集まりますが、
方向性に関する観測は全く異なります。
米国は本コラムでも数回にわたって伝えた通り、
主要高官による一連の発言で、利上げを示唆しています。
利上げがある、ないかの議論ではなく、9月か、11月以降かの
「タイミング」の問題になっています。
一方、日銀はいつもの通りサプライズを楽しむ様子で
黒田総裁が述べた総括検証の内容も
どちらでも捉えられる曖昧さで一貫、本日のFinancial Timesなどでは
「市場に混乱を加重させているだけ」という批評も出ています。
幅広く売られてはいるものの、商いは低調で
来週の結果が出るまでは低調な商いの中、
個別材料が物色される相場が続くと予想されます。
8割の銘柄が下げる中、強い上昇を続ける6619 ダブルスコープ、
テクニカル的にチャンスが近づく3099三越伊勢丹HDは
物色に入れてみるに値します。
東証1部の売買代金は概算で1兆7913億円、
売買高は16億1784万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1599、
値上がりは282、変わらずは94銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,672.92 -292.84 -1.73%
NYダウ(ドル):18,085.45 -394.46 -2.13%
ドル(円): 102.61-62 +0.41円安 +0.40%
ユーロ(円): 115.33-37 +0.13円安 +0.11%