2016年10月05日の東京株式市場は小幅続伸しました。
終値は83円59銭(0.50%)高の1万6819円24銭でした。
欧州の金融緩和が縮小される可能性が報じられ、
長期金利が上昇、米国市場でも長期金利が上昇することを受け、
相対的に円安が進んだ結果、輸出関連を中心に買いが進みました。
明日からはイベントを気にする動きなり、
投資戦略上、重要な位置を占めます。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比85ドル40セント(0.5%)安の1万8168ドル45セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比11.217ポイント(0.2%)安の5289.657で取引を終えました。
Bloomberg通信の報道でECB(欧州中央銀行)が量的緩和を縮小する
可能性があると明らかになることで、長期金利が上昇、
米国の長期金利も上昇しました。
長期金利の上昇で採算が改善するとの思惑で
銀行株に買いが入って市場を支えましたが、
FRB高官による利上げ観測発言で売りが優勢になりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は主に外部要因で円安に振れたことで、
買いが先行、52円高くスタートしました。
上値を切り上げるような支援材料が少ない中でも、
米国市場の金融株高を受けて日本市場でも保険・銀行銘柄が上昇
しっかりした動きが続き83円高で引けました。
3日続伸は7月の6連勝以来、2カ月ぶりの続伸です。
金融株以外に話題になっているテーマは事業再編絡みです。
グループ再編が報じられた日立関連銘柄に買いが入るなど、
官製相場ではなく、本来の株式市場が持つべき色を出してきました。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下に短いヒゲを持つ小陽線を形成しました。
テクニカル分析上のポイントになるのは、
終値で25日移動平均線および200日移動平均線を一気に
超えてきたことです。
盛り上がらない商いが懸念材料だとずっと解説してきましたが、
薄い商いの中でも上放れをはじめた可能性はあります。
次は節目になる1万7,000円台、ここは損失を抱えて戻りを待つ
「戻り待ち売り」が出る可能性が高い領域でもあります。
その壁を時間をかけながらゆっくり突破すると、
年末に向かってトレンドの形成は期待できるのではないでしょうか。
【日本市場の総合分析:今後の動きと投資戦略】
久しぶりの3日続伸になりましたね。
冒頭で解説した明日からの動きで念頭においておくことは、
「指標祭りイベント」と「利上げ」です。
本日は9月分のISM非製造業景況指数の発表で、
為替市場の動きを予測する上で重要な指標で注目が集まります。
9月に起きたことは、この指標が弱い結果になった利上げ観測が後退、
急速な円高に振れて株式市場は打撃を受けたことです。
今回は先月と同じ水準の51.9が市場予想で、
実際の結果がどうなるかで、円相場が大きく動く可能性があります。
そのあとは金曜日の雇用統計ですね。
雇用統計が発表されたあとは、日本市場が10日の体育の日で休場、
そうなると当然、リスクを回避する売りが明日の午後から、
金曜日の午前にかけて出てくる可能性が高いです。
特に本日まで3日続伸なので、
短期利益確定の売りがでる気満々です。
保持している銘柄は一旦半分か、一部のポジションを利益確定、
調整が終わると新たに仕込むのが来週前半までの投資戦略です。
東証1部の売買代金は概算で1兆8878億円、
売買高は17億2075万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1197、
値下がりは643、変わらずは140銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,819.24 +83.59 +0.50%
NYダウ(ドル):18,168.45 -85.40 -0.46%
ドル(円): 103.11-12 +0.72円安 +0.70%
ユーロ(円): 115.72-76 +1.32円安 +1.15%