2016年10月11日の東京株式市場は反発しました。
終値は164円67銭(0.98%)高の1万7024円76銭でした。
9月7日以降、1ヶ月ぶりの17,000円台回復です。
9日に開いた第2回米大統領候補テレビ討論会で、
クリントン氏が優勢だという結果を受けて、安心感が広がったほか、
為替市場の円安基調が後押ししました。
17,000円台突破にもかかわらずまだリスク要因は孕んだまま、
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は3日ぶりの反発になりました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比88ドル55セント(0.5%)高の1万8329ドル04セント、
ナスダック総合株価指数も反発して
前営業日比36.269ポイント(0.7%)高の5328.674で取引を終えました。
先週末に発表された米国雇用統計は
市場予想を下回る結果で、失業率も3カ月ぶりに上昇しました。
数としては予想に届かなかったものの、質的にはまずまずの内容という見方で
年内利上げ予測が前進、その影響で7日の株式市場は上値が重くなりました。
10日は原油先物相場が1バレル51ドル台と、
4カ月ぶりの高値を記録、資源関連株が買われました。
また、 第2次テレビ討論会で「史上最悪の討論会」と評されながらも
クリントン氏が優位を保ち、リスク要因が減ったとの受け止め方で
買いが進みました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は12月中の利上げ観測が強まったことを受け、
為替市場で円安が進み、買いが先行して
76円高くスタートしました。
4ヶ月ぶりに51ドル台を伺った原油市場も
後押ししたこと、円安が一時104円台を見せたことも加わり
上げ幅を拡大、一時200円を超える場面もありましたが
少し落ち着いて164円高で引けました。
円相場に振り回されてきた相場であっただけに、
久しぶりの円安進行は支援材料になって市場を引っ張っています。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は長い上ひげを持つ小陽線を形成しました。
17,000円台は戻り待ちの売りが強く出るポイントでしたが、
数回のトライで一旦抜けてきた形になりました。
また本日をもって、テクニカル的に強さのサインがいくつか付きました。
1.一目均衡表では三役好転が成立
2. 移動平均線では5日と25日線のゴールデンクロスが成立
3. 週足では13週線が26週線をゴールデンクロス
これだけ見ると、あげる気満々ですが、
まだ2兆円に届かない売買代金と薄商いは懸念材料です。
【日本市場の総合分析:今後の投資戦略】
先週末に伝えた今週の主要イベントを整理してみましょう。
1. 9日:第2回米大統領候補テレビ討論会、
クリントン氏優勢の結果で波乱要因が一つ減る
2. 12日:9月20・21日開催のFOMC議事録公表
3. 14日:イエレンFRB議長のボストン連銀での講演
雇用統計の結果で円安は進み、株式市場は潤いましたが、
真の潤いかというと、少し首を傾げるようになるのが現状です。
韓国サムスンの「ギャラクシー爆弾」問題で恩恵を受けた
村田製作所などの関連銘柄の上昇は目立ちましたが、
円安恩恵の代表格であるホンダ、マツダ、日産などの自動車株は
下落を記録、市場全体が上げアゲのモードではないと考えられます。
つまり、先週までの動きが踏襲され、
材料のでた銘柄を中心に買いが進行する動きには変化がないということです。
9月5日の高値を抜けて、ボックス圏抜けがはっきり確認されるまでは
この動きが続くとみられます。
サムスンの悪材料は一時的ではないものなので、
反射利益を得る、アップル関連の電気・部品・精密機器周辺を
物色の対象にしてみるのは面白いのではないでしょうか。
東証1部の売買代金は概算で1兆8711億円、
売買高は16億6516万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1132と、
値下がりは699、変わらずは153でした。
【ジョンの注目銘柄】
ファンダメンタル的に改善され、テクニカル的にも面白い位置にきている
大塚商会(4768)は下げ止まりの確認、
トレンド転換を確認してから戦略的に取り組んでみる価値はあります。
■各市場の動き
日経平均(円):17,024.76 +164.67 +0.98%
NYダウ(ドル):18,329.04 +88.55 +0.48%
ドル(円): 103.88-89 +0.04円安 +0.03%
ユーロ(円): 115.40-44 +0.01円安 +0.00%