2016年11月01日の東京株式市場は反発しました。
終値は17円38銭(0.10%)高の1万7442円40銭でした。
米国市場はわずかな幅の続落で方向感のない展開で、
日本市場も明確な材料はなく、方向感のない展開になりました。
主要イベントを備えていることから、様子見ムードが広がり、
米国政治の影響を見極めたいという心理で、そのムードはより
強くなっています。しかし、下値はしっかりしていることから
上昇トレンドの継続という判断で間違いないでしょう。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は3日続落しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に3日続落して、
前営業日比18ドル77セント(0.1%)安の1万8142ドル42セント、
ナスダック総合株価指数は5日続落して
前営業日比0.969ポイント(0.0%)安の5189.135で取引を終えました。
ナスダック総合指数は9月14日以来、
1ヶ月半ぶりの安値を記録更新を続けました。
FOMCや雇用統計など主要なイベントに備えて、
様子ムードが強く、明確な方向性をつかむことは難しい状況です。
ダウ工業株30種平均は9/9をスタートとする2ヶ月間の持ち合いに入り
方向性が定まらない動きになっていますが、
11/8の大統領選挙まではこの動きが続く可能性が高いとみられます。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は、明確な材料がない中、米国市場の下落で
外部環境が悪化、売りが先行して45円安くスタートしました。
また、1日まで開く日銀の金融政策決定会合結果を見極めたい
様子見ムードが加わり、積極的な売買は見られませんでした。
午後に入って、前日に引き続き下値が堅いことが確認されること、
日銀の金融政策決定会合では予想通り現状の政策維持、
2%インフレ目標は2018年に先送りするなどの結果が出たことで
日銀によるETF買いへの期待で買いが進みました。
上値は重いものの、為替市場でも104円台後半をキープすると
そのままプラス圏で大引を迎えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆1094億円、
かろうじて2兆円を超えましたが、取引は活発になっていることを示しています。
売買高は19億602万株、東証1部の値上がり銘柄数は916、
値下がりは911、変わらずは158銘柄でした。
上昇・下落が拮抗することで、強い上げではないことがわかります。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は前日に引き続き上下に短いヒゲを持つ小陽線を形成しました。
形は似ていますが、先日の高値と安値を切り上げる上昇の形で、
ボリンジャーバンドも上向き継続、ローソク足が25日移動平均線、
75日移動平均線から離れていく「パーフェクトオーダー」が継続、
強い上昇を表しています。
一目均衡表上もすべての指標が上向く三役好転が継続中ですが、
よく営業日から上くもが薄くなり、
上昇の勢いが一時的に弱まる可能背があります。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
注目材料の一つ、日銀の金融政策決定会合が終わりました。
市場の予想通り、「現状の金融緩和政策を維持」に中心がおかれました。
しかし、「デフレ心理は簡単には払拭できない」-日銀の黒田東彦総裁、
物価2%目標の達成時期を「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送り、など
最初から実現が不可能に近かった目標を次々と先送りにする
体質は変わってないので、
「真剣に考えているのか」という疑問を持たざるを得ない内容です。
米国のGDPに続き、イベントを一つ通過したので、
次はまた米国のイベント2つです。
FOMCの結果は3日の休みを挟んで4日に反映されますが、
4日の夜はまた雇用統計でやはり動きづらい状況が続きます。
このような状況では薄商いで売りが進みやすいですが、
小幅でありながら上昇が続くとは、
2つのイベントによる円安進行の方に重きが置かれていると解釈できます。
明日はとりあえず大きなトレンド転換をしてきた不動産業種、
円安に備えては、ファンダメンタル的にしっかり、かつ
テクニカル的に買いのタイミングに来ている銘柄を物色することが有効です。
ファンダメンタル的にしっかり、かつ
テクニカル的に買いのタイミングに来ている銘柄の代表としては
デンソー(6902)、
不動産関連では三井不動産(8801)、イオンモール(8905)の動きに再び
注目の目を向けるのも良いでしょう。
■各市場の動き
日経平均(円):17,442.40 +17.38 +0.10%
NYダウ(ドル):18,142.42 -18.77 -0.10%
ドル(円): 105.05-06 +0.14円安 +0.13%
ユーロ(円): 115.42-46 +0.45円安 +0.39%