2016年11月09日の東京株式市場は暴落しました。
終値は919円84銭(5.36%)安の1万6251円54銭でした。
8月4日の安値以降、3ヶ月に渡って上昇してきた分を一気に飛ばしました。
やはり米国の大統領選の影響は大きいですね。
朝方はクリントン氏優勢という認識で円売り・株高が進みましたが、
トランプ氏の優位が伝わると市場は売りに転じました。
今後の投資戦略も含めて、本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は前日8日ぶりに大きく反発してから、続伸しました。
ダウ工業株30種平均は 続伸して、
前営業日比73ドル14セント(0.4%)高の1万8332ドル74セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比27.316ポイント(0.5%)高の5193.489で取引を終えました。
引き続き、クリントン氏有利との材料が働き、
買いが進みましたが、接戦が予想されるということで
上げ幅は限定的でした。
そして迎えた選挙の結果はトランプ氏の当選、
先物市場でダウ平均が-700を記録していますが、
本日予想される下落がどこまで進むかが観戦ポイントです。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は、朝方はクリントン氏の優勢が予想されることで、
買いが先行して始まりました。
為替市場でも円売り・ドル買いの影響で円安が進む追い風が吹き、
上げ幅を拡大、100円を超える場面もありましたが、
まさかのトランプ氏優位とのニュースが市場を凍らせしました。
下げ幅を拡大して800円を終えた後は、再びクリントン氏が追い上げるなどを
材料に下げ幅を縮める場面もありましたが、
トランプ氏に決定というニュースで市場は919円の下落で反応しました。
大きな材料であっただけに、売買量も膨らみ
東証1部の売買代金は概算で3兆9242億円、
6月24日のBREXIT当時の商いも超え、
2月12日の商いに接近する大きな商いでした。
売買高は38億1019万株、東証1部の値下がり銘柄数は1934と全体の約97%、
値上がりは43、変わらずは9銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下ヒゲを大陰線を形成、
節目となっていた17,000円台、25日、75日移動平均線、
ボリンジャーバンドの-2σまでを一気に下抜けしました。
6/24の安値から11/1までの上昇分2,609円から考えると、
半値押しをすると考えると後385円の下げ幅が調整幅として考えられますが、
ここまできて、切り返してくれるかがこれからの確認ポイントになりそうです。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
“歴史は繰り返される(History repeats itself)”
古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉です。
投資の解説なのになんで急に歴史の話し?と思うかも知れませんね。
今朝の相場をみると、為替市場でドルが105円半ば、
日経平均17,500円と買いが進み、
事前予想がEU残留と伝わって、円売りが進み、株高が進んだ
6月24日の東京市場が再現されたかのような状況でした。
その後、6月24日の結果がどうなったかはまだ記憶に新しいと思います。
EU離脱が伝わる午後になると、大暴落をお越し
相場の歴史にブラックフライデーという名前で残ったわけです。
その時に残したもっとも大きな教訓が2つあります。
その教訓に関しては「幸せ投資メルマガ」で詳しく話しさせて頂きます。
楽しみにしていてください。
さて、本題に戻ってこれからの投資戦略を考えてみましょう。
1. 今後の動きを純真無垢な仮定で考える
歴史が繰り返されるという前提に立って、6/24以降の動きを参考にするなら
今回の暴落は一過性のショックに過ぎない可能性があります。
実際に為替市場も株式市場も6/24の1日で暴落の動きは収まり
その後は一回もその安値を切り下げたことなく上昇してきました。
夜間の先物取引ではすでに日経225の先物が400円の上げ幅をみせており、
為替も101円まで進んだ円高が103円台に戻ってきました。
2. 渡る世の中鬼ばかりの仮定で考える
6/24と状況が違うのは、これからも不透明性が残っているとうことです。
日本が属している変動為替相場制は、
米国の通貨・金融政策の動向が大きな影響力を持ことは否定できません。
リスク要因はその米国の舵を切る大統領になる人が
どこに転んで跳ね上がるかわからないラグビーボールみたいな人物だということです。
ただ、移民の締め出し、保護貿易主義の強化などを公言するなど
過激な公約を掲げてきたトランプ氏も、
議会の牽制が働くホワイトハウスに入ると大人の対応をするように
現実化するものだと考えられます。(少なくとも期待したいですね)
その大人への道を辿るにつれて市場の変動性は治ると予想されますが、
その間は突然の発言で市場が揺さぶられる展開も想定しておく必要があります。
しかし、クリントン氏にしろ、トランプ氏にしろ
保護貿易主義、TPP からの撤退をあげていたのは間違いないので、
ドル高を容認しない路線で出てくることには変わりはないと考えられます。
その場合、2017年の雰囲気は円高基調が継続する可能性もあり、
株式市場にはマイナス要因になるということも考えておく必要があります。
3.結論:中・長期の目線を持つ
短期的に気になるポイントは、先物市場ですでに-700ドルを記録した
ダウ平均が本日と今週にかけて、下げ止まるか、
その動きを受けて為替と日本市場も下げ止まるかです。
ここで下げ止まって、短期的な変動を織り込みながら
落ち着きを取り戻す過程が必要という中・長期的な動きを想定しながら
落ち着いた対応が必要でしょう。
下げ止まったポイントからの仕込みもポジションを小さく、
損失限定のポイントを明確に決めながら行う
これまた大人の対応が求められます。
■各市場の動き
日経平均(円):16,251.54 -919.84 -5.36%
NYダウ(ドル):18,332.74 +73.14 +0.40%
ドル(円): 103.34-35 -1.07円高 -1.02%
ユーロ(円): 114.43-47 -1.00円高 -0.86%