2016年12月1日の東京株式市場は続伸しました。
終値は204円64銭(1.12%)高の1万8513円12銭でした。
12月最初の相場、1月4日につけた年初来高値をついに更新しました。
OPEC総会で8年ぶりの減産合意に至ったことが材料になり、
相場を大きく押し上げましたが、
直近の急ピッチ上昇に対するう警戒心は根強く、
上値は重い形で引けました。本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は小幅増進しました。
ダウ工業株30種平均は2日続伸して、
前営業日比1ドル98セント(0.0%)高の1万9123ドル58セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比56.237ポイント(1.0%)安の5323.681で取引を終えました。
前日までは交渉難航と伝わっていたOPEC 総会では
8年ぶりの減産合意に至り、原油相場が大きく上昇しました。
ダウは原油市場の動きを受けて、エネルギー関連、
また引き続き金融関連の銘柄が好感され、大きく買われて行きましたが、
引けにかけて利益確定の売りが上値を抑え、
わずかな上昇幅で終わりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は前日のわずかな上昇の後は、
OPECの減産合意というニュースを受けて、ダウが上昇、
為替市場は114円台に突入する円安などの材料で
大きく買いが先行して始まりました。
前場を187,22円で引けたことから、1月の年初来高値更新は
問題ないように見えましたが、相場が急変したのは後場。
上げ幅をほとんどうち消すかのような勢いで利益確定の売りが進み、
年初来高値更新も危ぶまれましたが、しっかり18,500円台をキープしながら
本日の取引を終えました。
ファンダメンタル的に、また後術するテクニカル的にも非常に
重要な転換点を迎える1日になりました。
活況の商いは本日も続き、
東証1部の売買代金は概算で3兆2911億円、
売買高は28億2141万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1137と全体の6割弱、
値下がりは735、変わらずは118銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経平均の日足は、長い上ヒゲを持つ小陰線を形成しました。
高値圏でアイランドリバーサルが懸念された形から、
今日はまた空を開けて大きく離れました。
ボリンジャーバンドの+2σと+1σの間を推移する
バンダウォークが継続、上昇継続になっていることには変化がありませんが、
この形から反対に抜けると反転、調整の下落に入る形なので、
明日はしっかり利益確定の注文を入れておきましょう。
オシレーター系でRSIの値が2015年5月29日以降の
高いレベルまで達して、過熱感は十分だしているので
いつ急落してもおかしくない位置であることに注意してください。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
大きな注目を集めていたOPEC総会は
前日までイランとイラクが協調になお難色を示し、
交渉が難航していたと伝わりましたが、
最後に歩み寄り、8年ぶりの減産合意に至りました。
この結果を受けて、原油先物が大きく上昇、
米国も日本もエネグリー関連銘柄を中心に
大きく買いが進みました。
一方、燃料棒の高騰が懸念される空運業は大きく売られる羽目になりました。
今後の動きで気にするポイントは、原油高の動きが継続するのは
難しいということです。
原油高で生産量を減らしてきた米国のシェールオイル業者は
いつでも生産増に入る準備をしているので、
原油の高騰とともに市場に大量に流れ込みます。
このことを踏まえると、バレルあたり50ドルを突破した現時点から
上昇の余地は大きく残ってないと考えるのが無難でしょう。
TOPIXやJPX400の上昇に比べて本日は225の方が大きくなり、
活況上昇相場にふさわしい主力株買いが進みましたが、
一時的な動きになる可能性があり、
年末にかけては、まだ中・小型への物色が続くのではないでしょうか。
業種別では前述した通り、空運業が下落率1位で
原油高の影響をまっすぐに受け止めています。
明日の雇用統計も円安の方向になる可能性が高い場合は、
この上昇相場の最初から買われていた
証券・銀行株の方に注意向けましょう。
【各市場の動き】
日経平均(円):18,513.12 +204.64 +1.12%
NYダウ(ドル):19,123.58 +1.98 +0.01%
ドル(円): 114.26-27 +1.54円安 +1.36%
ユーロ(円): 121.40-44 +1.67円安 +1.39%