2016年12月5日の東京株式市場は続落しました。
終値は151円09銭(0.82%)安の1万8274円99銭でした。
先週末の米国市場が方向感の定まらない動きになったことや、
円安が一服したことで、売りが先行する動きになりました。
日曜日に実施された憲法改正の是非を問うイタリア国民投票は
反対派が勝利することで、さらに下げ要因が加わりました。
しかし、下値を割り込む動きも見られず、
日経は底固い動きが続いているといえます。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は反落と反発、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落して、
前営業日比21ドル51セント(0.1%)安の1万9170ドル42セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比4.545ポイント(0.1%)高の5255.652で取引を終えました。
注目度の高い雇用統計は、
失業率は市場予想より低い4.6%で9年ぶりの低いレベルになりました。
非農業部門の雇用者数は事前予想18万人に対して、 17万8000人増加、
ほぼ市場予想通り、好調な発表が続いた指標に対して
強弱含む結果になったことで、長期金利の上昇が一服しました。
金利上昇の一服で直近、値を伸ばしてきた金融関連銘柄に売りが進み、
市場を押し下げましたが、下値も限定的でした。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国市場が方向感の定まらない結果になったこと
為替市場の円安基調が一服して113円前半で維持したことを背景に、
売りが先行して始まりました。
憲法改正の是非を問う国民投票が実施されたイタリアでは
事前予想通り、反対派が勝利、
これを受けてレンツィ首相は辞任の意向を表明しました。
その結果を受けて実質的に最初の試験台にのぼるのが日本市場でした。
反EUの動きが広がるとの懸念で大きな下落もありうる状況でしたが、
結果がすでに織り込み済みという見方もあり、
極端な下げは避けられました。
東証1部の売買代金は概算で2兆2937億円、
売買高は20億6800万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1327と、
値上がりは539、変わらずは124銘柄でした。
3兆円を超えていた先週までの動きから商いが薄くなって
足元を固めている姿が伺えます。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経平均の日足は、下ヒゲを伴う小陰線を形成しました。
堅調な地合いが続いている分、強い売りにはなりませんでしたが、
一旦調整に入るサインは幾つかのテクニカル指標で出ています。
ボリンジャーバンド上では+1σの中に終値が入ってきて
バンドウォークが終了、
一目均衡表でも、三役好転が続いているのは間違いないですが、
11/10以降初めて、終値が転換線を割り込み、
上昇が一服したことを告げています。
調整が続く場合は18,000直前までを想定してもいいですが、
今の強いトレンドで考えると、短い調整の後、
トレンド転換して切り返す可能性の方が高いでしょう。
【日本市場の総合分析:今後の投資戦略】
イタリアの選挙結果が予想されていた通り、反対派勝利になりました。
ある程度織り込みは進んでいたことで、大きな混乱は避けられましたが
注目は本日夜のヨーロッパ市場の動きです。
極端な下げが見られる場合は明日の市場に少なからずの影響を与えますが、
限定的な反応で終わる場合は、本日の動きはむしろ
押し目買いのチャンスとして働くでしょう。
長期的にみると、より大きなリスクを潜んでいる事象への伏線になることです。
EU再建を推進していたレンツィ首相が辞任の意向を表明したことが、
反EUの動きを広げることになると、
2017年の中盤以降に市場はもちろんのこと、
地政学的にも大きな影響を与えることになります。
次の動きはオランダの選挙ですが、ここで反EUの動きが躍進するのか、
目が離せません。
投資戦略としては、利益確定のサインが出ている銘柄が多いので、
無駄な抵抗はせずに、大人しく利益は頂いておきましょう。
買い直しが入ってきたと思われた銀行業が早くも下落率トップですが、
市場が切り返す時は最初に見直しが入るセクターになっているので
保持銘柄は落ち着いて、持って行きます。
もちろんロスカットのサインが出たものはしっかり損失限定しておきます。
戦略銘柄として取り上げ、本日の上昇率でもトップになっている
水産・農林業は地味な動きの中、静かにトレンドを継続しているので、
長い観点で注目を続けましょう。
【各市場の動き】
日経平均(円): 18,274.99 -151.09 -0.82%
NYダウ(ドル):19,170.42 -21.51 -0.11%
ドル(円): 113.45-46 -0.48円高 -0.42%
ユーロ(円): 119.74-78 -1.84円高 -1.51%