【市場総括】
2016年12月9日の東京株式市場は4日続伸しました。
終値は230円90銭(1.23%)高の1万8996円37銭でした。
連日で年初来高値を更新しました。
欧州・米国市場が軒並み上昇、特に米国市場連日の最高値更新で
投資家が先高感をもって買いを強めています。
本日の動きによって来週とそれ以降までの動きまで決まると解説しましたが、
まずまずの結果である程度安心感を持って相場に向き合うことができそうです。
今後の投資戦略を含めて、
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は4日続伸しました。
ダウ工業株30種平均は4日続伸して、
前営業日比65ドル19セント(0.3%)高の1万9614ドル81セント、
ナスダック総合株価指数は5日続伸して
前営業日比23.594ポイント(0.4%)高の5417.356で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は4日連続の最高値更新、
ナスダック総合株価指数は11月25日以来、
2週間ぶりに高値を更新しました。
S&P500指数も12/2までの調整の動きの後、
活発な動きになり、連日で最高値を更新しています。
3指数が揃って最高値を更新するのは2週間ぶりで
市場心理が強気に傾いているのが読み取れます。
金融緩和の延長を決めたECBの決定を受け上昇した欧州市場の
流れを引き継ぎ、買いが先行しました。
引けにかけては上げ幅を縮小させながら終えましたが、
連日の最高値更新は続きました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は高値圏で推移しているのが懸念されながらも
連日値を伸ばしています。
3日前はソフトバンク、前日は東電HD、本日はECBからのニュースなど
外部環境の改善を受けて連日で年初来高値を更新しました。
市場の関心の高かった欧州中央銀行(ECB)の理事会に関しては
資産買い入れ額の縮小という速報が流れ
一時、テーパリングという見方が浮上、市場は動揺しました。
ドラギ総裁が記者会見で必要に応じて買い入れ額は増額できると
発言したことで、テーパリングではないとの見方が広がり
市場は安定を取り戻し、上昇しました。
外資系5社の注文動向は本日も大幅な買い越し、
海外の資金も順調に流入して市場は商いを伴いながら上昇する
望ましい形が続いています。
株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出に伴う売買も膨らみ、
東証1部の売買代金は概算で3兆9249億円で4兆円に迫る勢いです。
売買高は31億3196万株、東証1部の値上がり銘柄数は1250と、
全体の約6割、7割を占めた前日よりは騰落率が縮小しました。
値下がりは606、変わらずは137銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経平均の日足は、上ヒゲを伴う中陽線を形成しました。
前日に引き続き窓をあけて、11月以降5つの窓を作りながら
上昇を続ける驚異的な力強さを見せました。
高値では19,000円を回復する上昇幅をみせましたが、
その達成感から、引けにかけて割り込んで今週の取引を終了しました。
25日移動平均乖離率は7/19の5.97以降の高水準である5.76、
75日移動平均乖離率に至っては2015年3月23日の10.15を超える10.27と
過熱感は申し分ないほど出ています。
19,000円という節目に近づいていること、
2015年12月30日のレベルに近づき戻り待ちが出る可能性もある位置から
高値に対する警戒心は必要ですが、
強気の相場はそのままで楽しむ余裕も必要ではないでしょうか。
【日本市場の総合分析:来週の展望と今後の投資戦略】
今週を簡潔に振り返ってみます。
12/5まで短い調整を続けた市場は火曜日からトレンドを転換して、
陰線でありながら上昇、水曜日は外部・内部の好材料を背景に
連日で窓を生成しながら上昇しました。
投資家の心理はまともな押し目を作る余裕もないほど
先高感が支配しています。
来週もこの動きに根本的な変化は見られないと判断しています。
つまり「底固い、上値を試す動き」になるでしょう。
高値を更新してくるところは去年の12月に似ている動きになっていますが、
大納会を前に原油安が進み、年明けからは6日の続落、
となったのが、去年の状況。
今年はOPECが減産に合意しているなど、
去年とはかなり異なる状況で、
米国の状況も最高値圏を維持していることに
経済指標も好調、下げる要因は過熱感という心理的要因
意外は見当たりません。
来週の注目ポイントは13-14日のFOMC,
14日のイエレンFRB議長による会見、
利上げがほぼ確実だとみられる中、その後の利上げをどのサイクルで
実施するかが会見の中で出てくるかも注目です。
FOMCに加えて特に経済指標の発表も多く予定されています。
14日米国の 11月小売売上高、11月生産者物価、
11月鉱工業生産・設備稼働率に加えて、
15日の同11月消費者物価指数、
16日の11月住宅着工件数など、主要経済指標の発表は目白押しです。
すべてがネガティブに働かない限り
現在の上げトレンドを崩すのは相当難しいでしょう。
【週末の挨拶】
いつものように大変な一週間でしたが、今週は別の意味での一週間でしたね。
みなさまの残高にも少しは変化があったのではないでしょうか。
一方、このような相場でもうまく利益が増えてないという相談を
してくる方もいらっしゃいます。
相場は一生続きます。
利益を上げることができなかったら、その原因を分析して
次に生かせれば、今回の機会損失は「利益のための費用」になるわけです。
少しは主観を外して、客観的な目で自分の投資観、
考え方などを振り返り、分析してみる週末にするのはいかがでしょう?
そんな週末にしたい私ですが、早速コンサルティングの案件で
週末からベトナムに向かいます。
健康だけはなにより大事なので、
元気な姿で来週再会することを楽しみにしております。
良い週末を!
【各市場の動き】
日経平均(円):18,996.37 +230.90 +1.23%
NYダウ(ドル):19,614.81 +65.19 +0.33%
ドル(円): 114.40-41 +0.76円安 +0.66%
ユーロ(円): 121.46-50 -0.85円高 -0.69%