2016年12月28日の東京株式市場は小幅反落しました。
終値は1円34銭(0.01%)安の1万9401円72銭でした。
東証1部の売買代金は3日連続で2兆円割れ、
1年ぶりとなる低調な売買代金でした。
方向感はつかめにくい相場でしたが、
実質的な新年相場に入ったところで、
下値がしっかりしていることで、来年の相場に対しても
先高観を与える1日になったと言えます。
また、資金の流れから分析しても、地合いは十分、
本日まで最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は続伸しました。
休み前は3日ぶりに反発、その後、続伸しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続伸して、
前営業日比11ドル23セント(0.1%)高の1万9945ドル04セント、
ナスダック総合株価指数も反発して 、
前営業日比24.752ポイント(0.5%)高の5487.441で取引を終えました。
2万ドルの大台の前で、最高値を更新する場面もありましたが、
上値は重く、上げ幅を縮小させながら引けました。
新政権への期待が続くことに加えて、出遅れ感のあった
IT関連に資金が回ることで、
ナスダック総合指数の方が上げ幅を伸ばしました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は受け渡しベースでは前日で最終日、
本日で実質的な新年度相場入りになりました。
米国市場が小幅な動きになったことで、
日本市場も方向感のつかめない動きに終始しましたが、
終了間際まではプラス圏で維持し、底値が固いことが
引き続き印象付けられました。
年末相場ということで、株式市場のみならず、
大体の金融市場には閉めの雰囲気が広がり、
為替市場も117円-118円を挟んでの動きに終始しています。
本日の動きが来年の動きを占う上で重要だと解説しましたが、
底堅く、上昇を続ける可能性が高いことを
示してくれた1日でした。
東証1部の売買代金は概算で1兆5591億円、
上述した通り、1年ぶりの低い水準でした。
売買高は13億1143万株、東証1部の値下がり銘柄数は474、
値上がりは全体の1411、変わらずは109でした。
反落なのに、値上がりした銘柄数が値下がりの3倍を占める
歪な動きとなりました。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下のヒゲを持つ短い陽線を形成しました。
形だけの判断では、下げの圧力が強まる前日の形から、
迷いが続く形に転換、
この一週間の動きからみても持ち合いが煮詰まったのがわかります。
3年ぶりの高水準にあった75日線、25日移動平均線乖離率も
過熱感が解消されるレベルまで下がり、
当分の過熱感は治まりましたが、
テクニカル分析上はまだ「高値止まり」のところで、
上にも下にも触れる際どいところにきています。
前日同様、一目均衡表上の転換線が支えになっていますが、
こちらもやはり下に抜けると幅のある調整に入る形で、
複数の指標で分析しても迷いが続く相場です。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日経は反落なのに値上がりした銘柄数が値下がりの3倍、
わかりやすく言えば、指数に大きく影響する主力株が下げて、
中小型に買いが進んだことを意味します。
非鉄・金属や機械など、12月を通して、上昇一服と捉えられた
銘柄に買いが進むことからも、資金は業種を隈なく回る
循環の相場です。
中小型が注目されて、新年度に入って再び大型にも
幅広く買いが入ると、新たな上昇フェーズ入りも考えられます。
ただし、今年年初の動きを思い出すと、6日続落の痛い記憶、
変調が見られるとその記憶から、
大きな調整に入る可能性があることには注意が必要です。
本日の市場で話題になった銘柄は減損の「発生可能性」について
発表することで、ストップ安まで売られた東芝。
保持していて「どうしましょう」と相談された方には申し訳有りませんが、
投資家を欺く会社はいつまで経ってもこの有様で、ダメということを
もう一度示してくれただけなので、
綺麗に損切りをして永久に投資対象として考えないことです。
【各市場の動き】
日経平均(円):19,401.72 -1.34 -0.01%
NYダウ(ドル):19,945.04 +11.23 +0.05%
ドル(円): 117.61-62 +0.30円安 +0.25%
ユーロ(円): 123.12-16 +0.62円安 +0.50%