2017年1月11日の東京株式市場は4日ぶりに反発しました。
終値は63円23銭(0.33%)高の1万9364円67銭でした。
上昇の材料になるものは少ない中、
米国株安、円高傾向の一服感がみられないことで
投資家心理が改善する余地は少なかったですが、
前日までの下落で押し目買いのチャンスだと判断した
買いが優勢になりました。
マザーズは下落、ジャスダックは上昇など、迷いが広がる中で、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は高低、まちまちでした。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比31ドル85セント(0.2%)安の1万9855ドル53セント、
ナスダック総合株価指数は6日続伸して 、
前営業日比20.001ポイント(0.4%)高い5551.819で取引を終えました。
ナスダック総合指数は4日連続の過去最高値更新です。
前日より続く原油安で資源関連銘柄に売りが膨らみ、
ダウは続落しましたが、上げに転じて100円を超える
上昇幅を見せるなど、方向感のない展開が続きました。
11日に予定されているトランプ氏の会見や
主要企業の決算発表が始まることで
ポジションを傾きづらいことが方向感のない動きとして現れています。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国市場の方向感のない展開、
円高基調が解消されない中、
3日続落して過熱感が解消されたことを受け、
押し目買いが先行、前日の終値から上昇してスタートしました。
順調に上げ幅を拡大して、100円を超える上昇幅までありましたが、
主要イベントを控えて一方的に買っていくことが
難しいと認識され、上昇幅を縮小させながら63円上昇で引けました。
注目されるイベントはトランプ氏の会見による
米国市場の反応と為替市場の動きです。
詳しいことは投資戦略のパートで考えてみることにしましょう。
様子見ムードを反映して、取引も活発さを失い
東証1部の売買代金は概算で2兆1801億円、
かろうじて2兆円を超えるくらいでした。
売買高は19億4433万株、東証1部の値上がり銘柄数は996、
値下がりは863、変わらずは145銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下に短いヒゲを持つ短陽線を形成しました。
前日の陰線では、注目される1/4の安値を割り込むことで、
さらなる調整への可能性を示唆しましたが、
本日は一旦下げ止まり、方向感を探る動きになりました。
1/4以降残っていた過熱感は後退、サイコロジカルライン、
RSIなど相場の強さを表すオシレーター系指標では
過熱感が解消された様子です。
現在は1/4の高値を抜けた1/5の高値、下は25日移動平均線を挟んでの
持ち合いで、ここから下か上かを探る動きが続きます。
前日解説した通り、ここから25日線に戻り、
そこから反発していくことと、押し目買いのチャンスになるでしょう。
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【日本市場の総合分析:来週の展望と 今後の投資戦略】
市場のイベントの中では断トツ
就任間近になってきたトランプ氏の会見が注目されています。
会見は今までの基調で「強いアメリカ」を強調する内容になると
予想されていますが、トランプ氏の今までの言動から考えて
いかなる突発発言が出るかは予想ができません。
強いアメリカへの強調で終わるくらいなら、
「強いドル」(つまりドル高)に心理が繋がり、
ドル買い・円売りが進むことが用意に考えられ、
円安はもちろん株式市場にポジティブな影響を与えます。
しかし、無限のドル高は容認できるはずがないので、
心理的な上限をどこまでおいた上で次の手に出るかは
常に意識しておくべきことでしょう。
市場の心理は上記の動きを先に取り込む形で、
鉄鋼・非鉄金属や銀行業が上昇率トップ3を占め、
トランプ相場スタート時の動きが再現されるような形です。
シナリオ通りに進む場合は、物色されてきた
中小型から大型株へのシフトが起きる可能性と、
銀行株への注目還元によるトレンド復帰も考えられるので、
注目に値します。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,364.67 +63.23 +0.33%
NYダウ(ドル):19,855.53 -31.85 -0.16%
ドル(円): 116.05-06 +0.22円安 +0.18%
ユーロ(円): 122.49-53 -0.26円高 -0.21%