ホーム » 配信情報トップ » 投資 » 2017年3月27日の日経概況

2017年3月27日の日経概況

2017年3月27日の東京株式市場は大幅に反落しました。
終値は276円94銭(1.44%)安の1万8985円59銭でした。
日米で広がる政局の先行きに対する不透明生が
投資家心理を冷やし、為替市場では円買いが広がりました。
2/9以来の19,000円割れを記録しましたが、
さらに影を落とすのはこれからの動きに対する見方です。
これからの展望と注意点は?
本日も最後までしっかりお読みください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は続落と反発の方向感の乏しい動きが続きました。
ダウ工業株30種平均は小幅に7日続落して、
前営業日比59ドル86セント(0.3%)安の2万0596ドル72セント、
ナスダック総合株価指数は反発して、
前営業日比11.045ポイント(0.2%)高の5828.738で取引を終えました。
S&P500指数も-0.08%の下落で、方向感のなさを鮮明に映しました。

政局の動きを考えると、もっと下げてもいいはずですが、
小幅の動きに終わりました。
オバマケアの代替法案について、採決が24日に見送られていましたが、
トランプ氏が採決を断念しました。
トランプ政権の政局運営に大きな打撃になるとみられ、
売りが広がりましたが、反応は限定的でした。

反応が限定的というのは安心材料ではなく、
採決断念のニュースが伝わったのは
相場の終了間際だったので、
折り込みが十分ではなかったとみるのが妥当でしょう。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【日本市場の動向:ファンダメンタル】
採決断念のニュースが大きく影響したのは為替市場を通じた日本市場。

トランプ政権に求心力低下がリスク要因として認識され
為替市場で円買いが進み、110円台に突入しました。
その影響で日本の市場は売りが先行、
外国人投資家もリスクオフの心理で株を売って資金を退避、
下げ幅は330円まで広がる場面がありました。

ファンダメンタル上の支援材料は少ない中、
下げ幅が大きくなると堅調な日本企業の業績への期待や
日銀のETF買いへの期待から押し目買いが入ることで下げ幅は縮小されましたが、
大きく戻すまでには至らず、
心理的な節目19,000円台を割り込みながら終了しました。

東証1部の売買代金は概算で2兆311億円、
売買高は17億6293万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1671で8割強の銘柄が下落する全面安、
値上がりは252、変わらずは87でした。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い下ひげを持つ陰線を形成しました。
下ひげがついて下げ止まるかのような形にはなりましたが、
それ以外のサインは非常に厳しい状況を表しています。

前営業日で75日移動平均線を一時上回りましたが、
本日その安値を切り下げることで、75日線が抵抗に転換したことになります。

本日の安値が止まったのは、上くもの下辺、
先行スパン2です。雲中はキープしていますが、
この安値を切り下げると雲を下にぬけて、三役逆転が成立
しばらくの調整、または下落相場への突入になります。

ボリンジャーバンドは若干下向きで拡散がみられ、
本日は-2σまで割り込んだので、下に向けてのバンドウォークが
スタートする恐れがあります。

この全てを防止して上に行くには相当な力が必要とみられ、
投資家心理はますます悪化することが予想されます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

先週末の解説では、「外部的には今週末にかけての
「トランプケア」たる法案の採決が波乱の要素を含んでいます。」と説明しましたが、
波乱は下に触れる形で顕在化されました。

また、円高リスクが解消される要素が少なく、
乱高下を含む神経質な動きを予想していましたが、
月曜日からいきなり波乱の動きで仕掛けてきました。

そもそも「乱高下になること」はわかっていたので、
別に大きく慌てることはありませんでしたが、
外部環境の影響をもろに受けるのはなぜ日本?というスッキリしない
感情は残ります。
(日本の内政にも不透明性は高まっているので、
完全に外部環境のせいにするにはむりがありますが)

今週の動きでまた注目されるのは
「新年度の動きを予想する上で重要」ということです。
権利落ちの28日売買が終了すると130-140円ほどの下げ効果、
30日は米国の10-12月期GDP確定値、
まさしく年度末の31日は日本の2月消費者物価指数、
2月労働力調査・有効求人倍率、家計調査
2月鉱工業生産、住宅着工件数など景気を判断する指標発表が
揃っています。

今週相場の動きと、週末に集中している主要指標の動向は
4月相場の動きを予想する上で大事な材料になります。
先週に引き続き水産・電気・ガスなどの内需銘柄が強い動きを続けていますが、
保持している一部銘柄には過熱感も出てきました。
売られるポイントにもきているので、
利益確定のポイントは常に変更することをオススメします。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【各市場の動き】

日経平均(円):18,985.59     -276.94     -1.44%
NYダウ(ドル):20,596.72    -59.86      -0.28%
ドル(円):  110.24-25     -1.09円高    -0.97%
ユーロ(円): 119.79-83     -0.14円高    -0.11%

お買い物カゴ