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2017年6月5日の日経概況

2017年6月5日の東京株式市場は反落しました。
終値は6円46銭(0.03%)安い2万0170円82銭でした。
米国市場の材料で円高・円安に振れた為替市場の動きを背景に
輸出・大型株を中心に売りが出ました。
大口投資家を中心に押し目を拾う意欲は強く、
プラス圏で推移する場面も見られましたが、
引けにかけては再び利益確定に押されました。
規模別の動きをみると、投資家の心理は鮮明にわかります。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

前営業日の米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比62ドル11セント(0.3%)高の2万1206ドル29セント、
ナスダック総合株価指数も続伸し、
前営業日比58.966ポイント(0.9%)高の6305.796で取引を終えました。

5月の雇用統計で雇用者数の増加分は
市場予想の18万人を下回る13.8万人に止まりましたが、
失業率がさらに下がり、16年ぶりの水準に低下し、
完全雇用状態になったことが好感されました。

ダウ工業株30種平均 、ナスダック総合株価指数、S&P500
3指標とも再び史上最高値を更新、
持たざるリスクを意識した投資資金の流入が続いています。

今週は8日のコミー元FBI長官の証言がリスク要因で、
トランプ氏はインフラウィークという名前で
関心を分散させる作戦に出ています。

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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
6月2日のCME日経平均先物は続伸、
前日比235円高の2万165円で引けました。
先物でも指数でも2万円を軽く超えました。力強い相場です。
SGX日経平均先物は円高傾向を受けて
75円安の2万0090円で始まりました。

日本市場は1円ほど進んだ円高が嫌気され、
売りが先行、前週末比41円86銭安の2万0135円42銭で寄り付きました。
先週末に大きく上げたトヨタなど、
大型・輸出関連銘柄に売りが進みました。

弱く始まったものの、午後に入ると押し目を動きが広がり、
プラスに転じる場面もありましたが、
引けにかけて利益確定が出ることで再びマイナスに沈んで
本日の取引を終えました。

メガバンクを始めとする金融株に売りが出たほか、
トヨタ、ホンダなど自動車株にも売りが広がりました。
円高の動きを受けて小売、食料品などの内需株に買いが入り、
その他製品にも買いが入って上昇率トップ3を形成しました。

東証1部の売買代金は概算で2兆3784億円、
売買高は16億4811万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1070、
値上がりは829、変わらずは118でした。

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【日本市場の動向:テクニカル分析】

日経の日足は上下ひげを持つ短い陽線を形成しました。
下落したものの、終値でもしっかり2万円の上をキープ、
形でも下げではなく、様子見の持ち合いになりました。

窓を開けて上昇して、前日の日足に囲まれる「はらみ線」と呼ばれるものですが、
テクニカル分析上は直近の天井になる形として解釈されます。
ここで調整に入る場合の下落目処は6/1-6/2にあけた窓の
下を埋める19,860円付近になると見られます。

2万円を割り込んでもこの付近で反発されると
トレンド継続の判断になりますので、
あまり慌てずに、むしろ押し目買いのタイミングにしたいものです。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

本日の動きをみると、日本株の地合いが強くなったことが伺えます。
マイナスなのに、何を言っているのか?といいますと、

実はさらに大きく下げる材料が十分にあったということです。
米国市場は市場予想を下回った雇用統計の結果にあまり反応しなかったけど、
為替相場は1円の円高、
2週間も立たないうちに英国のロンドンでは再びテローが発生、
地政学的なリスクが強く意識されたこと、
先週大きく上昇して2万円を達成した後の反動で下げやすい
などの要因を考えると大きく下げてもおかしくないところでした。

しかし、一時的にはプラス圏まで頑張った後、
小幅の下げで引けたことは、日経が力をつけてきた
ポジティブのサインとして考えることができます。

その要因は、個人と機関投資家の動きが交差しながらポジティブな
スパイラルが始まったことかた探すことができます。
先週末は大型株の上昇が主導、大きな資金が流れこみ、
本日は大型株がマイナスになったものの、
中・小型は0.12%,0.13%の上昇、ジャスダック・マザーズ指数も上昇していて、
中・小型を好む個人投資家が物色を広げていることがわかります。

今週は8日のリスク要因をにらみ、
前半は一進一退の持ち合い相場予想されます。
8日は英国の総選挙、ECB定例理事会とドラギ総裁の会見、
米国コミー前FBI長官の議会証言など、
リスク要因になるイベントが勢ぞろい。
このイベントを無事にパスすればさらに上値は軽くなる可能性が高いでしょう。

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【各市場の動き】

日経平均(円):20,170.82     -6.46    -0.03%
NYダウ(ドル):21,206.29    +62.11   +0.29%
ドル(円):   110.54-55    -1.02円高  -0.91%
ユーロ(円):  124.51-55    -0.61円高  -0.48%

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