2017年8月10日の東京株式市場は小幅続落しました。
終値は前営業日比8円97銭(0.05%)安の1万9729円74銭でした。
朝方は前日の大きな下落からくる自律反発で
買いが先行してスタートしましたが、
次第に地政学リスクが再び意識され、自信を失って行きました。
北朝鮮の問題に加えて、3連休の前、
お盆休みを前にしている様子見の要素がすべて揃っていることも
上値を重くしました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は11日ぶりに続落しました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比36ドル64セント(0.2%)安の2万2048ドル70セント、
ナスダック総合株価指数も続落して、
前営業日比18.128ポイント(0.3%)安の6352.332で取引を終えました。
リスクの高まりを受け、収益改善よりは
見通しの不透明さがより認識される動きです。
ネットフリックスなどが先行する
動画配信事業への参入を発表したウォルト・ディズニーは
先行投資の負担が懸念されることで大きく売られ、
1銘柄でダウ平均を28ドル強押し下げました。
ウォルト・ディズニーの下げ分を除いて
北朝鮮との対立で地政学リスクの広がりが懸念される分を出しても
この下げ幅なら市場は冷静に見守っていると
判断してもいいのではないでしょうか。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
シカゴのCME日経平均先物は続落して、
9月物は前営業日比180円安の1万9755円で引けました。
終値としては約2カ月半ぶりの安値でした。
SGX日経平均先物は少し落ち着きを取り戻して
前日の清算値と比べ35円高の1万9775円で寄り付きました。
日本市場は地政学リスクが依然意識される中、
前日の下げに対する自律反発で買いが先行
53円74銭高い1万9792円45銭で寄り付きました。
自律反発でスタートしましたが、
次第に戻り待ちの売りが出ることで10時を過ぎると
上げ幅が縮小、
先物に売りが出ると、上昇スタート分が打ち消され、
1円安の1万9736円で午前中の取引を終えました。
午後に入ると北朝鮮絡みのリスクが何一つ解決してないことで
下げ幅をじわりと拡大しましたが、
安値が大きく売り込まれることにもならず8円安で今週の取引を終えました。
石油石炭製品、非鉄金属が上昇率上位を占め、
保険、証券、銀行など、金融関連銘柄が揃って
厳しい動きになりました。
東証1部の売買代金は概算で2兆5327億円、
売買高は19億6413万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は935、値上がりは975、
下落はしたものの、値上がり銘柄数の方が多くなりました。
変わらずは112銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
前日の日足に包まれ高値は切り下げ、安値は切り上げる持ち合いを形成、
明確な方向性を示すことはできませんでした。
上値が上昇してボリンジャーバンドの+2σをタッチすると
そこから戻ることで、テクニカル的にはまだ
厳しい動きを強いられていると分析されます。
ファンダメンタルでも触れているように、
これくらいで下げ止まって、様子見の流れを保ったとは
市場がパニックに陥ってないと確認できる
安心材料の一つになるでしょう。
他の市場はもう1日残っている中、
日本市場はここで今週の取引を終え、
週足は2万円をまたがって下落する陰線を形成しました。
変動幅は6/2週以降の大きさで、下落の節目は
26週移動平均線、5/19週の安値です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週は結局さえない動きで終わりました。
先週金曜日に発表された雇用統計の結果を受けて
上昇してスタートしましたが、
米国市場の史上最高値更新のパレードに乗れず、
週後半には北朝鮮の地政学リスクにも遭遇、
厳しい動きにならざるを得ませんでした。
来週も上値の重い展開が予想されます。
テクニカル的に分析すると、横ばいのボックス相場が
下に抜けたことで下に加速しやすい流れになっていることがまずあげられます。
ファンダメンタル的には地政学リスクが8月中旬を中心として
不透明生を高めることに加えて、日本市場はお盆休みを迎え
参加者自体が少ない、市場への関心も薄れることが
買いを促す流れにはなりにくいと予想されます。
国内要因が目立つものがない中、あとは外部環境頼りになります。
お盆休みの日本と違って、海外は多くのイベントと指標が予定されています。
それゆえに、指標の発表に合わせて乱高下を繰り返す
方向感のない動きになりやすいでしょう。
まず、国内の予定で注目が集まるのは
14日の4-6月期GDP、連休明けの08:50に発表されます。
16日は7月訪日外客数が予定されていますが、
最近の増加傾向から、劇的な変化がみられない限りは
大きな材料にはならないと予想されます。
海外では14日が中国祭りで、
7月鉱工業生産、 小売売上高、都市部固定資産投資が
発表されます。
最も注目度の高いのは16日に発表される
米国7月25・26日開催のFOMC議事録です。
議事録内容が為替市場に円安の影響を与えるかが注目されますが、
月末まで、円高ドル安の動きが急変することは難しいと分析しています。
方向感の出にくい市場で新規のポジション建てに悩むよりは
翌週以降に備えて、リフレッシュに専念して
気持ちを改めて戻ってくるのもいいのではないでしょうか。
よい3連休とお盆休みを過ごしてください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,729.74 -8.97 -0.05%
NYダウ(ドル)
22,048.70 -36.64 -0.16%
ドル(円)
109.97-98 +0.15円安 +0.13%
ユーロ(円)
129.04-08 +0.09円安 +0.06%