2017年8月18日の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比232円22銭(1.18%)安の1万9470円41銭でした。
トランプ氏の軽率な言動を震源として
米国市場が3ヶ月ぶりの下げ幅になったことに加えて、
スペインでのテロ事件で新たな地政学リスクが
ダブルで投資家心理を冷やしました。
テクニカル的にも厳しい位置になってきた市場、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に反落しました
ダウ工業株30種平均は大幅に反落して、
前営業日比274ドル14セント(1.2%)安の2万1750ドル73セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に反落して、
前営業日比123.195ポイント(1.9%)安の6221.914で取引を終えました。
ことの発端は今回もトランプ氏、
白人至上主義団体をかばうようなトランプ氏の態度に対して
主要企業のCEOが相次ぎ助言機関からの離脱を宣言しました。
トランプ氏は反省どころか、離脱が止まらなかった
2つの助言機関を解散するという
愚策に出ることで市場に水を差しました。
前日発生したスペインバルセロナでのテロ事件も加わり、
引けにかけて下げ幅を拡大させました。
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【日本市場の動き】
日本市場は米国市場の冷え込みから逃げることができず、
大きく売りが先行して231円36銭安の1万9471円27銭で寄り付き、
心理的節目となる1万9500円をスタート時点から下回りました。
米国の動きだけでなくスペインでのテロ事件によって
円買いが進み、円高傾向になったことも上値を抑えました。
10時を過ぎると半導体銘柄の買いを支えに下げ幅を縮小させましたが、
200円を超える下げ幅はそのまま、201円安で午前の取引を終えました。
午後に入っても主力株への売りが止まらず、
前場終値を守ることができないまま、232円安で今週の取引を終えました。
金利低下の動きを受けて運用成績の悪化が懸念される
保険、証券など金融銘柄には売りが広がりました。
商いはさらに薄くなり、
東証1部の売買代金は概算で2兆1223億円、
売買高は16億7173万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1672、
値上がりは279、変わらずは72銘柄でした。
テクニカル上の懸念事項として、前日は
「非常に上げ辛くなる流れで、
雲の中に戻り、薄くなっている先行スパン1まで戻らないと
このまま雲の下辺が抵抗に変わります。」と解説しました。
本日は懸念事項がそのまま現れた流れで、
雲の下に窓を開けながら下落、これからは戻っても
雲の下辺が抵抗に変わります。
ボリンジャーバンドの-2σも下に抜けなので、
下に向かってのスプラッシュが発生、
当分戻るのは難しい流れになりました。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
波乱万丈の一週間が終わりましたが、
来週も順調な動きは期待しにくいのが現実です。
日本株は円高傾向の継続と米国株の軟調な動きを背景に
来週も軟調な動きになることが予想されます。
地政学リスクに加えて、最大のリスクに浮上したのは
トランプ政権の見通しに対する不透明性です。
11月以降、トランプ相場と呼ばれた上昇ラリーは
跡形も残らなくなり、
離脱が続くと2つの助言組織が解散、
税制改革、インフラ支出の拡充など、経済政策への期待が一段と後退しました。
来週21日に予定されている米国・韓国の軍事訓練で
北朝鮮が突発的な行動に出る場合は、上記の動きと絡み合い、
円高が一段と進み、株安が深刻化する可能性があります。
来週のみならず、今秋以降の動きを方向付けられる重要なイベントは
24日から26に日かけて ワイオミング州ジャクソンホールのシンポジウムです。
ECBのドラギ総裁やFRBのイエレン議長の講演が予定されているなど、
話題性は十分なイベントです。
当分は戻りにくい流れになったので、
材料の出た株の買い物色に加えて、明確なトレンド転換を見せる
下落中の銘柄に対して、短期の空売り戦略を組み合わせるのが来週の乗り越え方でしょう。
今週もお疲れ様でした。
よい週末を!
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,470.41 -232.22 -1.18%
NYダウ(ドル)
21,750.73 -274.14 -1.24%
ドル(円)
109.05-06 -0.87円高 -0.79%
ユーロ(円)
128.16-20 -1.05円高 -0.81%