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2017年9月4日の日経概況

2017年9月4日の東京株式市場は4日ぶりに下落しました。
終値は前営業日比183円22銭(0.93%)安い1万9508円25銭でした。
北朝鮮が3日に核実験を行い、地政学リスクが高まったことで、
投資家心理が冷え込みました。
今週末の行事に向けても追加の挑発は予想されるので、
材料一つで乱高下する神経質な相場が続くでしょう。
このような相場で注目すべき動きと投資戦略を含め、
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は4日続伸になりました。
ダウ工業株30種平均は小幅で4日続伸して、
前営業日比39ドル46セント(0.2%)高の2万1987ドル56セント、
ナスダック総合株価指数は5日続伸して、
前営業日比6.669ポイント(0.1%)高の6435.331で取引を終えました。

ナスダック総合株価指数は連日の史上最高値更新、
ダウも堅調な動きを続けました。
注目を集めていた雇用統計は、非農業部門の雇用者数が
市場予想の18万人増に対して、前月比15万6000人増、
失業率は4.4%で市場予想を下回りました。

雇用者数よりも気になる数字は平均時給、
前月比0.1%増で市場予想を下回りました。
FRBが重要しする物価上昇の鈍さが際立ちました。

金曜日の結果は北朝鮮の核実験が行われる前なので、
今夜の反応に注目が集まります。

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【日本市場の動向:ファンダメンタル】

シカゴのCME日経平均先物は小幅に続伸しました。
9月物は前営業日比15円高の1万9690円で引けました。
大阪取引所の終値に並ぶ動きでした。

SGX日経平均先物は地政学リスクの高まりを受けて
売りが先行してスタート、
前日の清算値と比べ130円安の1万9565円で寄り付きました。

日本市場は北朝鮮の核実験を材料に地政学リスクが嫌気されると同時に
為替相場で円が買われ円高に振れたことで
売りが先行してスタート、
75円51銭安の1万9615円96銭で寄り付きました。

材料に比べたら下げ幅は限定的かと思った途端、
売りが加速、10時過ぎには200円を超える下げ幅まで見せました。
200円から下げ幅を縮小し、170円安の1万9521円で午前の取引を終えました。

午後に入ってからも上昇の材料になるものは見当たらず、
前場の終値を挟んだ動きに終始した結果、
183円安で本日の取引を終了しました。

33業種のうち、空運業、石油・石炭製品、保険業のみが上昇、
残りの30業種が下落しました。
下落が目立ったのはガラス製品、海運業、鉄鋼などでした。

商いは本日も2兆円割れ、
東証1部の売買代金は概算で1兆7369億円、
売買高は15億9579万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1824、実に全体の9割が下げました。
東証1部の値上がり銘柄数は153、変わらずは46でした。

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【日本市場の動向:テクニカル分析】

日経の日足は短い上下ヒゲを持つ短陰線を形成しました。
先週末は「25日線と一目均衡表の基準線が重なっており、
実体では三空を空けたことになるので、
ここで反転して調整に入ってもいい位置にいます。」と解説、
その通りの動きになりました。

テクニカル的な節目とファンダメンタルの材料が
絶妙といっていいほど合致しています。
終値では転換線で一回支えられましたが、
先週末の高値が直近の高値になって大きなチャートレベルでの
高値切り下げが続いたことになります。

トレントとしては75日線、25日線がデッドクロスしてから
下向きで推移、高値の切り下げとともに25日線で抵抗にあう形を形成したので、
下げが加速する形だと分析できます。
ここから下がると前回支えになってくれた
200日移動平均線がもう一度支えてくれるかが注目のポイントです。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

先週末は9/9に向けて、ミサイル発車が追加である可能性があるので、
円高リスクがあることを解説しました。
予想より早くも3日には6回目となる核実験を行いました。

マティス米国防長官が米国や同盟国に対するいかなる脅威にも
大規模な軍事措置で対応すると発言するなど、
状況は険しくなる一方です。

さらに9/9に向けては、ICBMの発射可能性に関して
韓国の情報機関が発表しており、当分この地政学リスクが
鎮静化する気配はなさそうです。

投資家心理の悪化が明確に現れるのは規模別指数の動きです。
大型株の0.77%下落に対して、中型-1.16%、小型-1.65%と、
個人が好む中・小型の方が売られて、
個人がポジションを外しているのがわかります。

この動きにもかかわらず、為替市場の不透明性が高い時は
大型株は敬遠されがちなので、
この局面の乗り切りには中・小型の方への注目が必要です。

また、先週末に解説した通り、
下落トレンドをしっかり続ける銘柄に対して
空売り戦略を適切に組み合わせるのが重要です。

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【各市場の動き】

日経平均(円)
19,508.25     -183.22     -0.93%
NYダウ(ドル)
21,987.56     +39.46     +0.17%
ドル(円)
109.57-58     -0.60円高    -0.54%
ユーロ(円)
130.50-54     -0.44円高    -0.33%

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