2018年3月15日の東京株式市場は小幅に反発しました。
終値は前営業日比26円66銭(0.12%)高の2万1803円95銭でした。
貿易摩擦の懸念事項が再び高まり幅のある下落をみせた
米国市場の影響を受けて売りが先行してスタート、
割安感を意識した押し目買いが入ることでプラスに転じて終わりました。
国内要因も不透明性が高まってきたので
上昇スタートとして意識するのは早計で、まだ警戒心が必要です。
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は2日続落して
前営業日比171ドル58セント(0.7%)安の2万5007ドル03セント、
ナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落して、
前営業日比77.313ポイント(1.0%)低い7511.012で取引を終えました。
ナスダック総合株価指数は連日の史上最高値を更新から
利益確定が出やすいタイミングであったこともあって、
ハイテク関連の銘柄に売りが広がりました。
トランプ米大統領は13日朝、なんとツイッターで
ティラーソン米国務長官を解任すると発表、
(本人もツイッターで知ったとのこと)
不透明性の高まりが懸念されました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向】
日本市場は上昇の材料なしでの様子見になりました。
政局運営の不透明性を背景に幅のある下落をみせた
米国市場の流れを引き継ぎ、
朝方は売りが先行して、下げ幅を拡大する場面がありました。
国内要因で、森友学院関連で財務省の公文書改ざんが
沈静化を見せない中、投資家たちは積極的な買いに入ることができず、
様子見を決め込んでいますが、
割安感からくる押し目買いで上昇に転じました。
外部、国内とも先の読めない状況が続くので
当然投資家の不安は大きく、資金を温存している動きというのが
合理的な見方でしょう。
精密機器、情報・通信業などが買われ、
前日に引き続き食料品、小売業などの内需および
優待ねらいで買われやすいセクターにもしっかり買いが入りました。
日経の日足は長い上、短い下ひげを持つ短陽線を形成しました。
安値では25日線を割り込んで、終値で25日線を回復しましたが、
前日の高値と安値は切り下げ、形上の下落になりました。
3日連続、安値を切り上げられない流れで、
下ヒゲの長い陽線なのでまだ力は保っているとみることもできますが、
本日の安値を割り込んだ陰線が出現すると
慌てての売りが広がる可能性があります。
22,000円を突破できなかった形になったので、
次の戻りでも意識される壁として残ります。
投資家心理が萎縮されているのは
商いにも現れ、今年最低の金額でした。
東証1部の売買代金は概算で2兆2350億円、
東証1部の売買高は11億7463万株、
東証1部の値上がり銘柄数は759、
値下がりは1214、変わらずは98銘柄でした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
米国の動きは不安定さを増しています。
ティラーソン米国務長官の解任に続いて、
ロイターより中国製品に高関税を課す措置を検討していることが報じられました。
中国もEUも貿易摩擦については厳しい姿勢を崩してないので、
リスク要因として残る状況は変わっていません。
中国関連の銘柄は当然のことながら影響を受け 、
中国への輸出額が大きいボイングを始め、
建機のキャタピラーなど軒並み大きな下落を見せました。
日本もその影響で小松製作所は1.65%の下落、
ボイングとの関係が深いと認識される東レも1.75%の下落を記録しました。
選ぶのに慎重になるセクターを決めるのも大事な投資戦略なので、
中国関連は当分、投資に慎重になる必要があります。
国内要因も潜在的なリスク要因として大きくなり始めているので、
買いは控え目にして、
明確な下降トレンドに入っている銘柄に対して
ショート(空売り)取引を検討しましょう。
例えば、上記で解説した小松製作所<6301>は
ファンダメンタル的にも弱まっていますが、
テクニカル的にも非の打ち所がない下落トレンドなので、
狙ってみるのもまだ有効でしょう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円)
21,803.95 +26.66(0.12%)
NYダウ(休場)
24,758.12 -248.91(-0.99%)
ドル・円
106.04 – 106.09 -0.56(-0.52%)
ユーロ・円
131.13 – 131.17 -0.93(-0.70%)