2018年3月22日の東京株式市場は4営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比211円02銭(0.99%)高の2万1591円99銭でした。
FOMCとパウエル議長の微妙な会見を背景に
米国市場は大幅上昇から下落で引ける波乱の動き、
日本市場は下げトレンドに対する自律反発で上昇してきました。
米国の利上げは予想通りあり、また予想通り円安にならなかった現在、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して
前営業日比44ドル96セント(0.2%)安の2万4682ドル31セント、
ナスダック総合株価指数も下落して
前営業日比19.017ポイント(0.3%)安の7345.285で取引を終えました。
FOMCでは市場の予想通り3ヶ月ぶりに
政策金利を引き上げ、
パウエル議長はタカ派でも、ハト派でもない
中立的な発言で市場の方向性に決定的な影響を与えることはできませんでした。
政策金利の上昇ペースは緩まないとこ観測で
ハイテク関連、不動産関連銘柄には売りが広がりました。
ダウは一時250ドル以上の上昇からマイナスに引けるまで
変動性の高い姿を見せました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国の微妙な空気や、
森本学院問題をめぐる問題の出口を巡って
上げにくい地合いでスタートしました。
前日の終値より安くスタートしたものの
前日までの下げで、自律反発のタイミングに来ていたことも
意識され、すぐ上昇に向かいました。
FOMCの結果を見極めたいとの様子見も多くありましたが、
イベントを通過し、持ち高を調整するための
機関投資家からの買いも加わり、本日の高値付近で引けました。
利益確定に押されていた精密機器が上昇率1位、
医療品、サービス業、機械セクターもしっかりでした。
一方、直近上昇を見せた電気・ガス業や
食料品、空運業などには売りが広がりました。
日経の日足は稀にみる丸坊主の形で、
本日の高値付近で引ける陽線を形成しました。
前日は下ヒゲの長い陽線で下げ止まりの前兆でしたが、
本日、幅のある上昇はもちろん、力強い形になりました。
ただし、ここで早速上昇に戻る展開にはなりにくく、
明日は本日の高値を超えて
トレンド転換が成立するかを見極めるタイミングです。
25日線を突破して、3/12,3/13の高値を超えてくると、
安値の切り上げ、高値の切り上げも成立するので
トレンドが大きく変わる可能性があります。
下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
本日で2空をあけながら下落、
下げの勢いが加速する流れにのりましたが、
売買代金は投資家心理の改善を背景に
増加してきました。
東証1部の売買代金は概算で2兆6698億円、
売買高は13億8548万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1304、
値下がりは689、変わらずは84でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
本日の日経の動きは少し意外な点がありました。
FOMCの結果を受けて
米国市場が乱高下をして方向感を失った展開、
日本市場も厳しい動きを強いられるかと予想したら
幅のある上昇で安値の切り上げを成立させて来ました。
イベント前の様子見ムードが一気に溶けた
開放感のようなものでしょうか。
気になるところはFOMC の利上げと米国景気の先行きに対する
楽観的な見方でも円高基調が覆されることはないということです。
ドル・円レートは105円台に突入、
3/16の直近円高値に並びました。
明日の動きは本日の米国市場の動きをチェックする必要があります。
乱高下だった前日の動きを引き継ぎ、
ボラティリティーの高い動きを継続する場合は、
日本の市場にもネガティブな影響が残るでしょう。
空売りしたポジションは上昇はしたものの、
まだ買い戻しポイントに達してない銘柄が多いはずですが、
毎日利益確定またはロスカットの設定を見直してください。
半導体関連は短くトレンド転換してきましたが、
やはりハイテク関連が厳しい動きになった
米国市場の動向をみらみながら追加で
買って行くことには慎重になってください。
下落基調が強かった電気・ガス業の一部には
上昇の後、一回調整に入りますので、
トレンド転換するタイミングに注目しましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,591.99 +211.02(0.99%)
NYダウ(休場)
24,682.31 -44.96(-0.18%)
ドル・円
105.71 – 105.72 -0.73(-0.68%)
ユーロ・円
130.64 – 130.68 -0.78(-0.59%)
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