2018年3月26日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比148円24銭(0.72%)高の2万0766円10銭でした。
米国と中国の貿易をめぐる対立姿勢が激化、
投資家心理が悪化して米国市場が大幅に続落しました。
日本市場にも懸念が広がり売りが先行してスタートしましたが、
先週末の大幅な下落に対する自律反発と押し目買いが入って
下げ幅を縮小させながらプラスに転じて引けました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に続落しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に下落して
前営業日比424ドル69セント(1.8%)安の2万3533ドル20セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に下落して
前営業日比174.011ポイント(2.4%)安の6992.666で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は4ヶ月ぶりの安値で
ナスダック総合株価指数は節目の7,000を割り込んで
2月12日ぶりの安値を記録しました。
トランプ氏の中国に対する高関税措置で、
中国は米国製品への関税引き上げ計画を検討すると発表するなど
貿易摩擦の対立姿勢が激しくなっています。
自律反発が期待されましたが、貿易摩擦の激化が続いて懸念され
投資家心理はさらに悪化しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国の大幅な下落と国内の政治問題が
引き続き懸念され、売りが先行してスタートしました。
朝方は3桁台の下落を記録した後、
自律反発と押し目の買いが入り、下げ止まり、
午後に入ってからプラスに転じました。
27日が権利落ち日を迎えることで、
個人が配当や株主優待を狙う買いが入ったことも
上げ幅を伸ばす要因となりました。
押されていた精密機器が押し目を拾われ
ゴム製品、化学、食料品も上昇率上位に入りました。
一方、先週末まで上昇していた電気・ガス業が
利益確定に押されました。
下げ渋りながらも上に積極的に伸ばせないのは、
国内問題が収まる気配がなく、先行き不透明感が強いことが
一つの要因となっています。
27日に佐川・前国税庁長官の証人喚問が注目されますが、
今までの政治イベントのように真相は明らかにならず、
曖昧なまま終わることでしょう。
日経の日足は下ヒゲを持つ陽線を形成しました。
終値で上昇はしたものの、高値と安値は切り下げ、
実体を含む日足全体がボリンジャーバンドの-2σ外に出て、
下に向かってのスプラッシュになりました。
形上では下落の形なので、まだ安心することはできず、
明日は本日の高値を超えて、トレンド転換をするかを確認するタイミングです。
21,000円台が支えから逆転して、抵抗に変わる場合は、
さらに早く下げる可能性もあるので、十分警戒してください。
東証1部の売買代金は概算で2兆8309億円、
売買高は15億7728万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1175、
値下がりは835、変わらずは73でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
先週末の大きな下げと、週末の米国市場の大幅な下落から考えると
本日は守られ、直近の底入れになる可能性が高まったかと
思われる動きです。
ここで面白い数字を一つ見ておきましょう。
東証の日報の中で集計される「空売り比率」、
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/short-selling/nlsgeu0000030khf-att/180323-m.pdf
売買代金の中で50.3%を占め、
東証が統計の発表を始めた2008年11月以降で最高を記録しました。
つまり、大きな下げの中にはかなりの部分が空売りで、
これは将来的に買い戻しの要因になり、
本日は早速一部が利益確定の買い戻しに戻った可能性があります。
つまり、上昇する要因の中で買って保持するためのポジションではない、
錯乱要因になることを意味します。
明日は権利落ち最終日で配当金が史上最高を記録する今年は
活発な買いが行われる可能性があります。
しかし、続伸するとしても一時的な動きになることも考えられるので、
安心して大きく買っていくことは控えた方がいいでしょう。
戦略は先週から変更なしに、
「買いは短期的な取引を心がけ、輸出・中国関連をさけて
円高にも耐性を持つ内需関連を中心としてピックアップしましょう。」
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20766.10 +148.24(0.72%)
148円24銭(0.72%)高の2万0766円10銭
NYダウ(休場)
24,682.31 -44.96(-0.18%)
ドル・円
104.92 – 104.93 -0.09(-0.08%)
ユーロ・円
129.80 – 129.84 +0.41(0.31%)