2018年9月10日の東京株式市場は7営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比66円03銭(0.30%)高の2万2373円09銭でした。
雇用統計が堅調な賃金上昇を示す結果になったことから
インフレ懸念で円安・ドル高が進行、円安の影響で買いが進みました。
一方、米国市場はナスダックに軟調な動きが続き、
ハイテク・半導体関連銘柄に懸念がひろがります。
底値は固い中、2兆円を割り込んで盛り上がりに欠ける商いが懸念材料です。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は3日ぶりに反落しました。
ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落して
前営業日比ドル79ドル33セント(0.3%)安の2万5916ドル54セント、
ナスダック総合株価指数は4日続落して
前営業日比20.185ポイント(0.3%)安の7902.541で取引を終えました。
まず、雇用統計の結果が下落の要因になりました。
金曜日発表された雇用統計で
平均時給が前年同月比で2.9%上昇、2009年6月以来の伸び率となったことで
利上げが早まるとの観測が広がって下落しました。
また中国との貿易摩擦に対する懸念は継続して市場に影響し
海外ビジネスの比重が高い銘柄に
売りが広がる要因となりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が反落した一方、
為替の影響で買いが進むことになりました。
米国市場の反落を受け、売りが先行してスタートしましたが、
雇用統計の堅調な結果を受け、
円安・ドル高が進行、輸出関連を中心に買いが入ったことで
プラス圏を維持しながら本日の取引を終えました。
長期金利の上昇を受け、保険・銀行などの金融業が上昇、
海運、医薬品、情報・通信業にも買いが入りましたが、
陸運、化学、水産・農林業などは売られることで下落しました。
日経の日足は上ヒゲを持つ陽線を形成しました。
前営業日の安値が三角持ち合いの下辺をタッチしたので、
ここから下に抜けるか、下げ止まって反転するかが
気になっていたところで反転の方に動き出しました。
しかし、反転が確定するためには本日の高値を抜けて
明日も上昇する必要があり、
明日にでも下落して、再び下辺を抜けると
下落が早まる可能性は残されています。
課題はここから上は支えになってくれると
予想されていて、一気に下に抜けてしまった
75日線、27日線が上値抵抗になるかも知れないところです。
東証1部の売買代金は1兆8752億円、
売買高は11億1612万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1202、
値下がりは808、変わらずは97でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
朝方は4~6月期のGDP改定値が発表されました。
速報段階の1.9%増から年率換算で前期比3.0%増に上方修正、
上方修正に寄与したのは設備投資など
景気拡大を示唆する分野での伸びでした。
景気の拡大をポジティブ材料と米国市場、災害などの
ネガティブ材料が拮抗する中でも、
テクニカル的にみると絶妙なところで下げ止まり
反発を試す動きになってきたのが期待を持たせます。
気になるのは再び2億円を割り込んだ商いで
買い手不在の相場が続いている点です。
米国市場でナスダックが軟調な動きになっていることが
半導体関連への売りを誘っている点から、
精密機器関連の銘柄は影響を受けやすいので注意しましょう。
また、食料品に厳しい動きが続いていますが、
割安圏に来ている市場からみても売られ過ぎのレベルに近づいたので、
そろそろ注目して下げ止まりを観察していってもいいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,373.09 +66.03(0.30%)
NYダウ(ドル):
25,916.54 -79.33(-0.30%)
ドル・円
111.02 – 111.03 +0.28(0.25%)
ユーロ・円
128.17 – 128.21 -0.79(-0.61%)