2019年3月11日の東京株式市場は5営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比99円53銭(0.47%)高の2万1125円09銭で終えました。
米国市場は低調な雇用統計の結果を受けて大きく下げてスタート、
その後強く戻して終わったことで東京市場にポジティブな影響をもたらしました。
プラスを確保しながら引けましたが、低迷する売買や
景気敏感銘柄に売りが続くことはマイナス材料として働きます。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は5営業日続落しました。
ダウ工業株30種平均は5営業日続落して、
前営業日比22ドル99セント(0.1%)安の2万5450ドル24セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比13.322ポイント(0.2%)安の7408.142で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は2/14以来の安値を更新、
ナスダック総合株価指数は2/11以来の安値を記録しました。
世界の注目を集める雇用統計の結果は市場の予想を大きく下回る結果でした。
非農業部門の雇用者数が市場予想31万人に対して
実際は2万人増と大きく下回ったことが嫌気され
大きく下げてスタートしました。
220ドルまで下げる場面も見られましたが、
押し目の買いチャンスだと思った投資家の買いが入ることで
下げ幅を急速に縮小させながら終わりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は下げが目立つ展開もありながら、
プラスを確保しました。
米国市場がマイナスで終わったことがネガティブ材料でしたが、
引けにかけては強く戻して終わり、
日経はそれより迷いの強い形を作りながら引けました。
先週の下げ幅は800円に達していたことで
自律反発が入るタイミングにあったこと、
中国市場、アジア市場が堅調に維持したことが相場を支えました。
上昇はしましたが、積極的な売買は見られず、
本日、米国の景気動向を示す小売売上高を見極めたい気持ちも
商いを押さえました。
商いは3兆円に迫る勢いだった先週末から一変して、
東証1部の売買代金は1兆8418億円、
売買高は10億4596万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1335、
値下がりは730、変わらずは69でした。
日経の日足は長い上下ひげを持つ短陽線を形成しました。
終値では上昇ですが、高値と安値を切り下げる下落になり、
まだ下げ止まりと安心することはできない領域にいます。
節目として認識される75日移動平均線にまたがって
迷いのサインを出したので、明日の動きによって
上か下、振れる方向が決まるでしょう。
下げ止まったと勘違いして急いでの売買はするタイミングではありません。
さらに下がる場合は2/15の安値前で止まってくれるかが
今週の確認ポイントです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日米ともに意外な強さを見せた相場でした。
雇用統計結果が2万人増加と2017年9月以来の増加幅になったことを受け
大きく下げるかと思ったら220ドル安から
200ドルを戻して終わりました。
ナスダックも同様な動きになりましたが、戻りの勢いはさらにいい流れでした。
日本市場もさえない動きを見せる場面もありましたが、
午後に入るとマイナスを取り戻してプラスに転じました。
上昇幅から考えると大したことはないと両方とも見られがちですが、
雇用統計の結果を受けて、この結果なので、
日本市場にもポジティブに作業したことに間違いはありません。
先週末は「景気の懸念に勝つ方法はありません。
ある意味下がるのは当然ですが、
来週はこれを織り込み済みとして反転を見せてくれるかです。」と解説、
本日の動きから少しは希望が見えてきたようです。
高値圏で割高感を出していた電気・ガス業が厳しい動きになった後、
本日は強く切り返しているので、短期的には買い向かう対象にしていいでしょう。
ただし、前回の高値レベルまで戻ると早めの利益確定が望ましいです。
先週末、厳しい動きになったパルプ・紙、鉄鋼、非鉄金属などは切り返しましたが、
今度は機械、精密機器など景気敏感株の真ん中あたりに売りが波及してきたので、
注意が必要です。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,125.09 +99.53(0.47%)
ドル・円
111.10 – 111.11 +0.12(0.10%)
ユーロ・円
124.81 – 124.85 +0.41(0.32%)
NYダウ(ドル)
25,450.24 -22.99(-0.09%)
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