2019年3月15日の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比163円83銭(0.77%)高の2万1450円85銭で終えました。
米国市場が上昇と下落、まちまちな動きになる中、
朝方は大きく買いが進む場面もありますが、
午後に入って利益確定の売りが出た結果、上昇幅を縮小させて今週の取引を終えました。
外部環境に左右されやすい来週の動きを予想しています。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反落のまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均はわずかに反発して、
前営業日比7ドル05セント高の2万5709ドル94セント、
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落して
前営業日比12.495ポイント(0.2%)安の7630.910で取引を終えました。
材料が交差することで方向感ない展開になりました。
投資判断が好転したアップルに買いが入り、
金融銘柄にも資金が向かいました。
一方、米中の首脳会談が3月の予定から4月にずれ込む見通しとの
報道は市場を押し下げ、上昇幅を綺麗に消しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場がまちまちな動きになった動きとは反対に
上昇が先行してスタートしました。
全国人民代表大会(全人代)で中国の減税や社会保険料引き下げの
ロードマップが明らかになったことを受け、
上海市場が上昇、日本市場の投資家心理も改善しました。
午前は上げ幅を230円まで拡大する場面も見られましたが、
午後に入ると利益確定の動きが出て、
上昇幅を縮小させながら引けました。
海運業、非鉄金属2業種意外はすべての業種が上げ、
鉱業、その他製品、医薬品などが強い動きになった他、
精密機器、機械などの景気敏感・輸出関連銘柄も買われ
幅広く買われたことがわかります。
東証1部の売買代金は2兆7889億円、
売買高は14億8329万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1434、
値下がりは634、変わらずは68でした。
日経の日足は上ひげを持つ短陽線を形成しました。
前日の高値は切り下げと安値は切り上げたので、
形では持ち合いになりました。
高値では25,000円を上に抜けて上昇継続を期待させますが、
中々抜けてくれないので抵抗に変わってしまう可能性も残されています。
25日線からは離れ始めたうえに、25日線は上向き、
75日線は平らになりかけているので、3/14の高値を抜けて
上に行くと意外と早いスピードで上昇継続になることも予想されます。
来週はまずこのポイントを抜けて上放れしてくれかを
確認しながら慎重に進めます。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は「朝方は様子見ムードで動きづらく、
黒田総裁の会見があってから波乱含みの展開になりそうです。」と解説、
実際の動きは、あれ?と思うほどの強さでした。
日銀の金融政策決定会合が大きな波乱材料にならず、
中国もしっかりサポート材料に入ってくれたことが
要因ですが、日本市場にとってはポジティブなサインとなるでしょう。
来週は21日が春分の日で4営業日、日本市場は材料不足になりますが、
来週の動きは欧米外部環境に左右される流れが予想されます。
3/19-20は米国のFOMCで、20日にパウエルFRB議長の会見が行われます。
直近の景気動向を考えると市場親和的な内容に
なるのではないかとの期待が出ていますが、
日本市場は21日が休みのため、米国に発言内容が反映された結果を見てからの
市場再開になります。
21日から22日まではEUの首脳会談、
ドラギ総裁ほどの影響を与えるのは難しいですが、
EUと英国の離脱を巡って議論がなされるなど
政治的な分裂が見られる場合はリスク要因として浮上するでしょう。
海運業は今週ずっと売られてので売られ過ぎの領域に入っています。
短期的なリバウンドもあり得るので、
短期だと割り切った場合はトレードに挑戦するのもよいでしょう。
また鉱業は停滞した動きから上放れしたので、買いで考えて、
水産・農林業は高値圏で買われ過ぎのサインなので、
保持銘柄の利益確定に集中すると同時に短期の空売り戦略も考えられます。
まとめて考えるとFOMCは市場にポジティブ、
EUはネガティブの可能性があるため、
国内は動意づくのが難しい中、短期の取引をこなしながら
波乱の時間帯を通過することになります。
週末の間には時間を作ってこちらの記事を読んでみてください。
東証1部企業数絞り込み、3割減も 英文開示も義務化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42496720V10C19A3I00000/
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,450.85 +163.83(0.77%)
ドル・円
111.68 – 111.69 +0.09(0.08%)
ユーロ・円
126.47 – 126.51 +0.11(0.08%)
NYダウ(ドル)
25,709.94 +7.05(0.02%)
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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