2019年4月10日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比115円02銭(0.53%)安の2万1687円57銭で終えました。
貿易摩擦の戦線がEUに拡大してリスクが高まることを嫌った
米国市場の下落が日本市場にも引き継がれました。
200円を超える下落幅まで見せた後は押し目買いによって
限定的な下げ幅にとどまりましたが、景気、地政学的リスクの高まりに警戒して
輸出関連銘柄への投資は慎重になる必要があるタイミングです。
本日も最後までしっかりお読みください。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
米国市場は下落しました。
ダウ工業株30種平均は2営業日続落して、
前営業日比190ドル44セント(0.7%)安の2万6150ドル58セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して
前営業日比44.606ポイント(0.6%)安の7909.278で取引を終えました。
貿易摩擦の戦線が拡大する兆しになったことや
IMFの世界経済見通し下方修正が投資家心理を悪化しました。
EUがエアバスに支給する補助金は不当だという口実で、
EU製品に追加関税を課す方針を示したことで
輸出関連銘柄に売りが広がりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は貿易摩擦の範囲がEUに拡大して
下落した米国市場の流れを引き継ぎ、幅のある下落でスタート、
朝方は200円を超える下げ幅まで記録しました。
21,600円を割り込むところまで進むと
割安感が出て押し目を拾う買いが入ってきたこと、
日銀によるETF買いへの期待などが市場を支え、
下げ幅は限定的な範囲で推移しました。
下げ幅の割には33業種すべてが下げ、
前日の上昇率1位だった石油・石炭製品が最も売り込まれました。
その他鉱業、建設、電気機器などが売られましたが、
今週に入って押されていた小売には押し目の買いが入りました。
商いは4営業日連続で2兆円を割り込みました。
東証1部の売買代金は1兆9674億円、
売買高は11億2275万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1572、
値上がりは485、変わらずは83でした。
2兆円割れが4日続くのは2019年入ってから1月21~24日以来です。
日経の日足は短い上下ひげを持つ陽線を形成しました。
高値と安値を含め日足全体は前日の日足から
下離れして下落の形、調整入りを鮮明にしました。
上向きだったボリンジャーバンドも今週に入って
平に変わり、本日の下落で下向きに変わりました。
このまま下げると25日線が支えになってくれるかが確認ポイントです。
前日は「高値が下向きの200日移動平均線をタッチすると下げて、
本日下落の形になったので、短い調整を挟んでもおかしくない位置です。」と解説、
予想通りの動きなので、悲観するような流れではありません。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今回もトランプ節が入ってきました。
今回はよりわかりやすい攻撃を仕掛けて、
ボーイングが窮地に立たされると、
エアバスへの補助金が不当だとして、110億ドルの関税を課すと脅しを入れてきました。
大統領再選はそれだけ大事なことのようです。
回復するように見えていた中国との交渉も上手くまとまらず、
対外関係に対してもリスクが高まっています。
“米、対イラン強硬姿勢一段と 防衛隊を「テロ組織」に
イラン猛反発 中東情勢不安定化も”
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43530190Z00C19A4FF8000/)
リスクの高まりと共に円高リスクも高まってきたので、
輸出関連に対しては警戒が必要です。
前日伝えたハイテク関連に関してはまだ固く守られている印象があるので、
買いではこの業種に引き続き注目しましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,687.57 -115.02(-0.53%)
ドル・円
111.13 – 111.14 -0.17(-0.15%)
ユーロ・円
125.25 – 125.29 -0.12(-0.09%)
NYダウ(ドル)
26,150.58 -190.44(-0.72%)
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