2019年5月29日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比256円77銭(1.21%)安の2万1003円37銭で終えました。
米国市場が貿易摩擦の悪材料で幅のある下落、
日本市場はその流れを引き継ぎ、売りが先行してスタートしました。
リスク増大による円高、資金のシフトによる金利低下などが重なり下げ幅を広げましたが、
原油市場の堅調さと日銀のETF買いへの期待が市場を支えました。
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比237ドル92セント(0.9%)安の2万5347ドル77セント、
ナスダック総合株価指数も反落して
前営業日比29.658ポイント(0.4%)安の7607.351で取引を終えました。
「中国と取引する準備ができていない」と米国の大統領が
ツイッターでつぶやいた一言で米国市場は朝方の
上昇スタートを消して下落に転じました。
ダウのほか、半導体関連、バイオ関連に売りがでた
ナスダックも3月12日以来、2カ月ぶりの安値で終了しました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が貿易摩擦関連の懸念で幅のある下落を記録したことで
売りが先行してスタートしました。
前日まで回復基調をみせて買われていた矢先、
悪材料に遭遇したことで売りが膨らみ
下げ幅は375円まで進む場面がありましたが、
21,000円を一回割り込んでからは
支えてほしいという心理が働き
21,000円をかろうじてキープしながら取引を終えました。
原油高を受けて石油関連業種が上昇した以外は
全業種に売りが広がりました。
特に東エレク、安川電など半導体・精密機器関連に強い売りがでました。
東証1部の売買代金は概算で2兆1030億円、売買高は13億2229万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1541、
値上がりは512、変わらずは83銘柄でした。
日経の日足は長い下ひげを持つ短陰線を形成しました。
前日の実体から下離れしてスタート、そのまま陰線を形成、
ギャップを形成しました。
安値では21,000円を割り込みましたが、
下ひげを作りながら終値では21,000円より3円高いところを確保しました。
節目は守ったものの一回安値切り上げとなった5/24の安値を
切り下げてしまったことは心理的に悪化する要因です。
このまま下げる場合は5/14の安値の前に
止まるかが確認ポイントです。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日本市場は多くの売り要因が重なり、
3営業日ぶりに幅のある反落を記録しました。
昨年から今年にかけてのリスク要因である
米中の貿易摩擦問題で悪材料が出たことを背景に
為替市場で円高が進みました。
前日は109円中盤台で推移したドル・円レートが
109円前半台まで進んで
輸出・景気敏感銘柄には売りが出ました。
円高に加えて、米国市場からリスクオフで債券市場に資金が流れ
債券価格が上昇(長期金利が低下)、
金融株には売りが、日本市場でも保険、銀行などに売りが広がりました。
一方、原油市場の動きは強さが残っていることで
石油関連銘柄に買いが入りましたが、
1業種だけで市場を支えるには限界があり、
変動性の高い相場が続きました。
しかし、先週末からすでに予告している動きの一環で、
前日「景気敏感業種への短期的なリバウンドが続いているので、
5/20の高値を早急に上に抜かないと
再び下落基調に反転する可能性は常に持ち歩いている状況です。」と説明した通りです。
戦略を変える必要はなく、
景気敏感・輸出関連への利益確定とその後は慎重モード、
空売り銘柄の利益確定を精密化することに集中します。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円)
21,003.37 -256.77(-1.21%)
ドル・円
109.16 – 109.17 -0.25(-0.22%)
ユーロ・円
121.77 – 121.81 -0.62(-0.50%)
NYダウ(ドル)
25,347.77 -237.92(-0.92%)
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。
http://www.tbladvisory.com/topics/