2019年6月5日の東京株式市場は6日ぶりに大幅に反発しました。
終値は前営業日比367円56銭(1.80%)高の2万0776円10銭で終えました。
前日の解説通り、売られ過ぎが止まる気配をみせてから大きく反発しました。
輸出関連、半導体など直近強く売られていた業種に買いが戻りましたが、
継続性には疑問が残る流れなので、積極的に買い上げる動きは
来週以降を想定するのがよいでしょう。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に続伸して、
前営業日比512ドル40セント(2.1%)高の2万5332ドル18セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比194.098ポイント(2.6%)高の7527.117で取引を終えました。
貿易摩擦に関して直近は聞くことのなかった
ポジティブ材料が出たことに加え、
景気関連で金融緩和の継続可能性についてニュースが出たことで
投資家心理が改善しました。
前日は独占禁止法の懸念で大きく売られたハイテク関連に
買いが戻ってきたことはナスダックを押し上げました。
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【日本市場の動向】
日本市場は買いが優勢な1日でした。
米国市場を上昇させた要因でもある、パウエルFRB議長の発言
「景気拡大を持続させるために適切な行動をとる」
日本市場にも投資家心理改善の材料となりました。
前日に引き続き円高傾向が一服して、
107円後半で推移していることも上昇の要因となりました。
パウエルFRB議長の発言は米国の利下げ観測を強めることで、
東京市場では半導体関連、部品系などの業種に買いが入りました。
33業種、すべてが上昇する中、
ガラス、精密機器、金属製品、機械など警備敏感銘柄に買いが広がり、
小売、食料品、不動産などの内需系には売りが入りました。
東証1部の売買代金は概算で2兆2402億円、
売買高は12億8095万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1988、
値下がりは126、変わらずは27でした。
日経の日足は発生可能性について言及した前日の解説通り、
アイランドリバーサルが発生しました。
前日の日足から上放れして上に抜き、前2営業日の日足が
島状態で残りました。
高値ではボリンジャーバンドの-1σと転換線に抑えられましたが、
当日の高値付近で終わったことはポジティブに評価できるでしょう。
ただし、早期に21,000円を超え、5/28の高値を超えないと
単に高値の切り下げが続いていくと見られる可能性もあります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
単位のリバウンドがあるので、超短期だと割り切る必要があると
前日の解説では説明しています。
心配を飛ばすような上昇にはなりましたが、
本日の動きは輸出関連、半導体関連など
推しが強かった業種への買いが中心でした。
また、商いが2兆2000億円台と、まだ積極的な買いが入ったとは
考えにくい流れなので、
明日もこの流れを引き継ぐのは難しいと予想します。
本日の動きに意味を置くなら
「2万円割れを回避できた」ことでしょう。
しかし、まだ油断はできません。
ポジティブ材料を1つ出してきたかなと思うと
2つ、3つと往復ビンタのようなネガティブ材料で返すのが
貿易摩擦関連なので警戒を緩めることはできません。
外部要因でもECB理事会、ドラギ総裁の会見、
米国の貿易収支統計など、景気関連の敏感なイベントが予定されています。
週末までは安心して買い上げる行動は慎んだ方が得策です。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,408.54 -2.34(-0.01%)
ドル・円
108.11 – 108.12 -0.13(-0.12%)
ユーロ・円
121.60 – 121.64 +0.67(0.55%)
NYダウ(ドル)
24,819.78 +4.74(0.01%)
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