2019年6月7日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比110円67銭(0.53%)高の2万0884円71銭で終えました。
米国市場がメキシコへの追加関税関連でポジティブなニュースが出たことを受けての上昇、
日本市場もその流れを引き継ぎましたが、
積極的に上値を追う動きには至らず、商いも低調なままでした。
週末から来週前半にかけて注目のイベントが多い中、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は4日続伸して、
前営業日比181ドル09セント(0.7%)高の2万5720ドル66セント、
ナスダック総合株価指数は3日続伸して
前営業日比40.078ポイント(0.5%)高の7615.553で取引を終えました。
朝方は利益確定とECBからの材料で下げる場面がありました。
前日まで700ドル以上をあげてきたことで朝は利益確定の売りが出て、
ECBが政策金利を据え置いたにも関わらず、
金融緩和にそれほど積極的ではないと受け止められ
欧州の一部市場に売りが波及、米国市場にも売りがでました。
支えの要因となったのはメキシコへの追加関税を
延期する可能性があると報じられたことでした。
原油市場の上昇による原油関連銘柄の上昇も続伸の要因となりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は新規の取引材料が少ない中、
米国市場の上昇を受け、買いが先行してスタートしました。
買いが一巡した後は、直近の上昇に対する
利益確定が出ることで上げ幅値を縮小させましたが、
午後の寄り付き後は再び3桁の上昇幅を見せるなど
売り・買いが交差する相場になりました。
積極的な買いはみられないものの
下値も支えられ、
21,000円を目指す動きを継続しながら今週の取引を終えました。
7日のアジア市場では香港、中国市場が休場おで、
材料不足の中、小幅の動きに終始してから
今週の取引を終えました。
米国市場同様原油相場の上昇に伴い
石油関連銘柄に買いが集中して業種別上昇率で1位、
連勝を受けて証券業界にも買いが続きました。
一方、低迷タイミングで注目されていた
内需系には売りが広がり、食料品、小売、電気・ガスなどの下げが目立ちました。
上昇はしたものの、前日同様様子見で商いは低調、
本日も2兆円を割り込みました。
東証1部の売買代金は概算で1兆6359億円、
売買高は10億595万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1499、
値下がりは560、変わらずは82銘柄でした。
日経の日足は前日の日足から上放れしてスタート、
そのまま上昇しましたが、変動幅は小さく
短陽線を形成しました。
抵抗になりかけていたボリンジャーバンドの+1σ、
一目均衡表の転換線を抜け出し、
上にブレイクしました。
戻りが続く場合の抵抗の目処は21,000円および
25日移動平均線です。
週足では終値で上昇、形では先週から高値と
安値を切り下げる下落になり、
まだ上昇に変わったとの確信は持てない状況です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
終値ではしっかり上昇しましたが、商いは2兆円を大きく下回る
様子見の相場で、その要因は2つです。
中国市場が休みで週明けからその推移を見たい、
そして本日の米国雇用統計です。
今週は前半の大きな下げ、その後戻りを試す動きになることで
陽線で引けましたが、外部要因によって揺れ動く状況は変わっていません。
来週は今夜の雇用統計を反映した動きで始め、
主要なイベントが多く予定されていることから
波乱含みの展開になることが予想されます。
早速10日は予定を変えない限り、
米国がメキシコからの輸入品すべてに5%の追加関税を課することになります。
報道される通りに適用が見送られることなく
実行されると、投資家心理はより悪化します。
その前はG20財務相・中央銀行総裁会議、
週後半は中国関連の経済指標が多く予定されているので、
その結果を見ながらの攻防が続きそうです。
変動性の高まりを受けて、来週も短期に徹して、
リバウンドを見せた輸出関連、景気敏感銘柄は
保持している分の利益確定に重点を置きます。
戦略銘柄で紹介しているように空売りで入る銘柄は
下げが加速しているので、心理的に見込みのあるところに
資金が集まってくるというのがわかります。
こちらも急変に備えて買い戻しの設定は毎日でも入れ替えるようにしてください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,884.71 +110.67(0.53%)
ドル・円
108.47 – 108.48 +0.24(0.22%)
ユーロ・円
122.17 – 122.21 +0.60(0.49%)
NYダウ(ドル)
25,720.66 +181.09(0.70%)
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