2019年7月12日の東京株式市場は小幅に続伸しました。
終値は前営業日比42円37銭(0.20%)高の2万1685円90銭で終えました。
ダウ工業株30種平均が史上初、2万7000ドルを超えるなど、
利下げが確実視される米国市場が上昇、日本市場もその流れを引き継ぎ
上昇してスタートしました。
利下げは同時に円高懸念を高め、寄り付き天井で陰線引け、
週間ベースでも軟調な動きで終えています。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は2日続伸して、
前営業日比227ドル88セント(0.8%)高の2万7088ドル08セント、
ナスダック総合株価指数は小幅反落して
前営業日比6.488ポイント(0.1%)安の8196.043で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均が史上初、2万7000ドルを超えました。
11日も行われたパウエル議長の証言は
7月の利下げを示唆する内容で、市場を押し上げる要因として働き続けました。
S&P500指数も3日続伸して、史上最高値を記録しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は史上最高値を更新する米国市場の流れを引き継ぎ、
買いが先行してスタートしましたが、
上値を大きく切り上げるような強い動きには繋がらず、
小幅上昇で今週の取引を終えました。
大きな悪材料がない中、3連休を控えて
ポジションを閉じる動きが主な流れで
SQ算出にまつわる取引も低調で、商いは低調なままでした。
注目を集めていたファストリの決算結果、
2018年9月~19年5月期が増益となり、買われました。
一方、振るわない四半期決算を発表した安川電機が売られました。
商いは9日連続で2兆円を割り込みました。
東証1部の売買代金は概算で1兆7891億円、
売買高は10億2974万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は703、
値下がりは1356、変わらずは91銘柄でした。
日経の日足は長い下ヒゲを持つ短陰線を形成しました。
上髭がないことから始値が高値になり、
上昇の勢いが強くないことを示していますが、
実体が7/1からの持ち合い上限の位置に跨り、
ここを上に抜けると上昇が本格化することを示しています。
週足では長い下ヒゲ付きの短陽線ですが、
高値と安値は先週から切り下げて下落の形、
上値は52週線、安値では13週線に囲まれ、週足でみても
迷いはまだ続いていることになります。
商いが増えってこない限り、来週は現在の高値レベルをうわ抜く前に
抵抗にあいそうな流れです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週の日本市場は前半軟調、後半に取り戻しの動きでしたが、
週間をまとめると不振の流れになりました。
来週は立ち合い日が4日のみで盛り上がりに欠ける要因があり、
決算がまばらにあることなどから相変わらず上値の思い展開が予想されます。
こうなってくると米国市場の顔色を伺うことになりますが、
史上最高値を更新する動きになって、まだ上昇の余地があるようにみえる環境の中でも
日本が恩恵を受けられてないのはやはりドル安・円高のリスクと考えてよいでしょう。
それを示すのが11日の為替市場でドル・円が一時
107円後半まで円高に振れました。
米国株がしっかりしてくれることが補い、
下値を支えてくれることになるとあまり心配はないでしょうが、
円高懸念がさらに高まれば、安川電機の不振で
不安材料を抱える輸出関連にはさらに逆風が吹くことになると予想されます。
物色は引き続き小売、水産、倉庫などの内需関連で、
少しずつそこ入り感を出している銀行業にも目を向けてみるのがよいでしょう。
慎重になる銘柄は仮想通貨関連で、
仮想通貨の不正流出で仮想通貨を含む全サービスの停止に
追い込まれたリミックス<東証2部>のニュースや、
フェイスブックの「リブラ」について「深刻な懸念」が
対処されるまで前進させるべきではないとパウエル議長が発言することで
ビットコインが急落するなど、懸念材料が多く出ています。
乱高下要因が払拭されるまでは安いと思いリミックスを買うような
行動は懸命な戦略とは言えないでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,685.90 +42.37(0.20%)
ドル・円
108.33 – 108.34 +0.28(0.25%)
ユーロ・円
121.96 – 122.00 +0.11(0.09%)
NYダウ(ドル)
27,088.08 +227.88(0.84%)
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