2019年8月1日の東京株式市場は小幅に反発しました。
終値は前営業日比19円46銭(0.09%)高の2万1540円99銭でした。
FOMCが10年ぶりの利下げを実施、
0.25%の利下げが発表されたことで材料出尽くしとなった米国市場が大きく続落しました。
日本市場は米国市場の流れを引き継ぎ、売りが先行してスタートしましたが、
為替市場の円安傾向を材料にプラス圏まで戻しました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大きく続落しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に続落して、
前営業日比333ドル75セント(1.2%)安の2万6864ドル27セント、
ナスダック総合株価指数は3日続落して
前営業日比98.195ポイント(1.2%)安の8175.419で取引を終えました。
FOMCは市場予想通りになりました。
1.政策金利を0.25%引き下げ
2. 9月末終了予定だった米国債など保有資産の縮小を2カ月前倒しして終了
市場の想定の範囲内だったので、
期待を織り込んで進んでいた株価には材料出尽くしとなり、
売りが広がりました。
市場を大きく動かしたのはパウエル議長の会見、
今回の利下げは「サイクル途中の政策の調整であって、
長期の利下げ局面の始まりではない」と発言したことが
利下げ継続の否定だと受け止められ、売りが膨らみました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場の動きを受けて、売りが先行してスタートしましたが、
日米の金利差は限られるとの見方が広がり、
為替市場で円安・ドル高が進みました。
朝方は下げ幅を広げた後、円安を背景に徐々に買いが戻りました。
下げ幅を打ち消し、プラス圏に浮上しましたが、
明日は米国の雇用統計発表が予定されていることから、
その結果を見極めたいとの様子見ムードが加わり
上昇幅は限られました。
円安が進んだことで自動車、電気機器などが買われ、
証券、銀行、その他金融業など、金融関連全般が上昇しました。
一方、倉庫、陸運、水産などの内需は厳しい売りになりました。
東証1部の売買代金は概算で2兆2260億円、
売買高は13億5643万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は978、
値下がりは1062、変わらずは109でした。
日経の日足は上下ヒゲを持つ陽線を形成しました。
前日の日足から大きく下離れしてスタート、
その後もしばらく下げ幅を広げましたが、
力強くリターン、下げ幅を打ち消しては、プラス圏に浮上して終わりました。
3つの移動平均線が重なるところに
日足が捕まっている様子に変わりはありませんが、
米国市場の動きを受けた後でも、プラスまで戻して終わったというのは
商いの増加と共に日本市場を引き上げる要因となります。
しかし形はでは高値と安値を切り上げたので、
テクニカル的な下げ継続、明日は75日線が200日線をゴールデンクロスします。
明日の雇用統計まで消化することで
方向性は来週にでも決まりそうです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日本市場は米国市場の大きな下落を見た後、
やはり、という感じの下げで始まりましたが、
米国が切り返すことを確認する前から自力でプラスに戻る姿を見せてくれました。
出来高も2兆円に乗せていることから、
直近で見せてくれた日経の動きの中がでは最も特筆すべき動きでした。
その動きを演出した大きな要因は円安の流れでした。
それだけに、明日以降も為替市場と連動しての動きが強くなりそうです。
明日は注目度の高いイベントが2つ。
取引時間中にトヨタの決算発表が予定され、
夜は米国の雇用統計。
トヨタの結果がポジティブな反応を誘う内容で、
雇用統計が好調な場合は、利下げ継続への否定と相俟って
円安傾向を続ける可能性があります。
その際は厳しく押されて、要注意セクターとして呼びかけた
自動車セクターには短期的な買いが戻ることも考えらます。
その他、金融関連もそろそろ動き出してもいいサインが出ているので、
8月相場で注目してみてもよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,540.99 +19.46(0.09%)
ドル・円
108.97 – 108.98 +0.42(0.38%)
ユーロ・円
120.25 – 120.29 -0.80(-0.66%)
NY(ドル)
26,864.27 -333.75(-1.22%)
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