2019年8月6日の東京株式市場は 3営業日続落しました。
終値は前営業日比134円98銭(0.65%)安の2万0585円31銭でした。
貿易摩擦問題の激化懸念で米国市場が2019年最大の下げ幅を記録、
日本市場も大きく売りが先行してスタートしました。
下げ幅を600円に広げる場面もありましたが、
20,000円の節目まで視野に入ると、下げ止まり、
下げ幅を急速に縮小しながら取引を終えました。
リスクの顕在化が積み重なるこのタイミングで、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は5日続落しました。
ダウ工業株30種平均は5日続落して、
前営業日比767ドル27セント(2.9%)安の2万5717ドル74セント、
ナスダック総合株価指数は6日続落して
前営業日比278.033ポイント(3.5%)安の7726.040で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は6月5日以来2カ月ぶりの安値、
ナスダック総合株価指数も6月6日以来の安値を記録しました。
ダウ平均の下げ幅は2019年に入って最大で、
米中貿易摩擦問題が激化していることが大きな下げの要因となりました。
米国の追加関税発動に対抗して
中国商務省が米国からの農産品の購入を一時停止すると発表したことで
摩擦の長期化が懸念され、投資家心理が悪化しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は激化する貿易摩擦問題で
米国市場が今年最大の下げを記録した流れを引き継ぎ、
大きく売りが先行してスタートしました。
米財務省が中国を「為替操作国」に指定したことなど
悪材料が重なり、円高の傾向が収まらず
下げ幅は600円以上まで広がりました。
20,000円の節目までもが見えてきましたが、
午後に入ると下げすぎへの警戒から買い戻しが入り、
下げ幅は急速に縮小されました。
前日に引き継ぎ精密機器、情報・通信などのハイテク関連が売られ、
ゴム製品、繊維製品、化学などの素材系も厳しく売られました。
一方、食料品、陸運業、倉庫などの内需系は上昇を続けました。
東証1部の売買代金は概算で2兆6367億円、
売買高は15億2342万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1291、
値上がりは766、変わらずは92でした。
全体の約9割が値下がりでした前日に比べると
騰落数で値下がりか止まっているのがわかります。
日経の日足は下ヒゲを持つ陽線を形成しました。
実体は前日の陰線から下離れしたギャップを形成していますが、
安値で20,000を目指して行ってから戻って、
前日の安値を超えて終値を形成しているので、
一旦下げ止まりの様子を見せました。
6/4の安値もひげで下に抜けたうえに、
RSIは20を下回り、短期の底を形成する
雰囲気は整いました。
下げ止まりの形ではありますが、
20,000円を安値レベルでも割り込むことが見られると
下げはさらに加速することもあるので、
節目となる20,000円での動きにはずっと注目しておきましょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
考えられる悪材料というのはすべて揃ってくるといいたくなる
タイミングです。
・追加関税4弾
・中国側の対抗措置として農産物輸入の一時停止
・中国を為替操作国に指定
貿易摩擦のみならず、今度は地政学リスクで
・北朝鮮がまた飛翔体発射
これだけの材料が揃っているところで
本日の陽線引けは大きな意味を持ちます。
前日から今日にかけては追証の嵐と、強制決済が爆発的に
広がったはずという要因を入れてもこの戻りですので、
下げ止まりを期待する視線が集まっていると考えられます。
本日の米国市場が上昇に転じ、円高の動きも一服するなら、
明日からは短期的な巻き戻しが起こる可能性があります。
短期的とは言っても下げ幅が大きかった分、
一気に下げ分を取り戻すような動きも予想されます。
そのような局面では好決算にも関わらず市場の流れに乗って
売り込まれた銘柄に資金が向きやすいので、
短期的なトレードで狙ってみるのもよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,585.31 -134.98(-0.65%)
ドル・円 ※
106.39 – 106.40 +0.45(0.42%)
ユーロ・円 ※
119.10 – 119.14 +1.19(1.00%)
ユーロ・ドル ※
1.1195 – 1.1198 +0.0065(0.58%)
NYダウ工業株30種(ドル) ※
25,717.74 -767.27(-2.89%)
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