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2019年8月16日の日経概況

2019年8月16日の東京株式市場は小幅に反発しました。
終値は前営業日比13円16銭(0.06%)高の2万0418円81銭でした。
米国の債券市場で2日連続で2年債と10年債の
逆イールドが発生、日本市場にも懸念が広がった結果
100円を超える下落を見せる場面もありましたが、
押し目を拾う動きやアジア市場の落ち着きを材料にプラス引けました。
来週も引き続き変動性の高い動きが予想される中、
底値を保ち、ジャクソンホール会合でポジティブ材料が出るかが注目されます。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反発と続落、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅に反発して、
前営業日比99ドル97セント(0.4%)高の2万5579ドル39セント、
ナスダック総合株価指数は続落して
前営業日比7.322ポイント(0.1%)安の7766.617で取引を終えました。

指数の動きが示すように方向感の欠ける
不安定な動きになりました。
前日のダウ工業株30種平均は6月4日以来ほぼ2カ月半ぶりの安値を記録、
本日はその反動による自律反発となりました。

景気の先行き不透明感からディフェンシブ銘柄が物色されましたが
上値は限定的で、10年債に続いて
30年物債利回りが1.91%と過去最低を記録したことが心理を圧迫しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国の債券市場の逆イールドが連日で発生、
朝方は100円安まで売られました。
前日の下落で半年ぶりの安値まで進んだことに加えて、
さらに100円を下げたことに対して
押し目を拾う買いが進み、下げ幅は縮小に転じました。

個人の押し目買いに続き、
アジア市場も堅調に推移していることが伝わると
マイナス幅を打ち消し、かろうじてプラスを確保しながら
今週の取引を終えました。

不動産、建設、倉庫、食料品などの内需・ディフェンシブ銘柄が物色されましたが、
化学、ガラス、繊維などの景気敏感・素材系に売りが進み、
自動車、電気機器などの輸出関連も下げて終わりました。

商いは7月29日以来の低調さで、
東証1部の売買代金は概算で1兆7810億円、
売買高は9億9392万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1057、
値下がりは982、変わらずは111でした。

日経の日足は上下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
実体は前日の実体とほぼ重なり、これだけでは持ち合いに見えますが、
高値と安値は切り上げたので、形の上ではしっかりした上昇と解釈されます。

これで短い期間においての下降圧力からトレンド転換しましたが、
来週あけで本日の高値を上に抜けてくれるかが回復のサインとして重要です。
その場合はしばらく戻りを試す動きになり、
まず8/9の高値を目指して行きます。

週足はほとんど実体を持たない十字架を形成、
先週の週足に包まれる持ち合いを形成して、
直近の下げから下げ止まりの様子を見せましたが、
日足同様、今週の高値を上に抜ける動きが見られるかがテクニカル的な確認ポイントです。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

先週末に予想した通り、
今週は荒れる展開になりました。
下振れ要因になった追加関税に関連して、
一部製品が先送りされたことで買われ、
米国の債券市場で逆イールドが発生したことは、
ダウと日本市場を大きく押し下げる要因になりました。

来週は波乱含みは続きながら、底は固い動きになると予想します。
今週の動きは上下大きく変動する不安定な動きを見せたものの、
悪材料にある程度の耐性ができて、底値が固いという印象を残しました。

日米共に決算発表が出揃い、材料不足になる中、
注目される最大のイベントはジャクソンホール会合(*)で
8/22から8/24にかけて行われます。

ここで各国の要人が世界的な景気後退への懸念を
和らげる発言が出る場合は市場にポジティブな影響を与えられると思っています。
しかし、米中の対立、再び発射体問題を引き起こした北朝鮮、
新興国の通貨関連など、先行きに対する懸念材料は
根本的に解決されたものが一つもないので、
時限爆弾のように材料一つで大きく振れる可能性が高いので、
緊張の紐を緩めないのがよいでしょう。

為替の動きと外部要因の不安定さから起因する
輸出・景気敏感株への懸念は引き続き意識されることから
8月は内需・ディフェンシブ関連に注目するのが有効な戦略です。

その中でも底値を形成しつつある食料品、小売、不動産などには
注目が集まります。
一方、底のように見える銀行業はまだ底打ち感が出てないので、
短期的な反発に惑わされ、さらなる下落に巻き込まれないように
注意してください。

*ジャクソンホール会合
米国カンザスシティー連邦準備銀行主催
ワイオミング州ジャクソンホールで毎夏開かれるので
“ジャクソンホール会合”と呼ばれる同会議は、
主要国の中央銀行幹部や経済学者らが参加して経済政策を討議します。
官僚のみならず、学者なども参加して討議が行われることから、
市場関係者からの注目度が高い会合です。
今年のテーマは「金融政策における課題」となっています。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,418.81 +13.16(0.06%)
ドル・円
106.19 – 106.20 -0.05(-0.04%)
ユーロ・円
117.77 – 117.81 -0.67(-0.56%)
ユーロ・ドル
1.1090 – 1.1093 -0.0058(-0.52%)
NYダウ工業株30種(ドル)
25,579.39 +99.97(0.39%)
S&P500種
2,847.60 +7.00(0.24%)
ナスダック
7,766.617 -7.322(-0.09%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/topics/

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