2019年8月30日の東京株式市場は小幅に反落しました。
終値は前営業日比243円44銭(1.19%)高の2万0704円37銭でした。
貿易協議関連で米中で同時にポジティブ材料が出たことを受け
米国市場は326ドルの上昇、日本市場もその流れを引き継ぎました。
両国の対立緩和でリスクが和らぎ、円相場が円安に流れたことも
上昇を後押ししましたが、来週の主要イベントに備えて
上値は限定的な範囲で止まりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に続伸しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に続伸して、
前営業日比326ドル15セント(1.3%)高の2万6362ドル25セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に続伸して
前営業日比116.512ポイント(1.5%)高の7973.394で取引を終えました。
貿易摩擦関連で米中両方からポジティブなニュースが
出たことを好感して、投資家心理が改善しました。
中国側は貿易協議関連で「冷静な態度で協議と協力をし、
問題を解決したい」との発表をし
トランプ氏はラジオで「違うレベルで再開する」との
発言をしたことが市場の不安を和らげました。
中国関連銘柄が軒並み買われたほか、
長期金利が上昇して金融株が買われたことも
市場の上昇要因になりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は数日ぶりのポジティブ材料に反応しました。
貿易協議をめくって米中両方から出た材料を背景に
買いが先行、午前は240円高の2万0701円で引けました。
午後に入ってからもリスクの軽減に伴い
為替市場で前日に引き続き円安傾向が継続、
買いが続きました。
上昇幅を伸ばした後は、来週の主要イベントに備えて
ポジションを片付ける動きが目立ち、午前の終値を挟んでの動きで
今週の取引を終えました。
週末要因によって停滞する動きが予想された市場は
両国から出た好材料を素直に受け入れ、
持ち合いの価格帯を上に抜けて行きました。
前日は強い動きになった不動産を始め、小売、陸運、
食料品などの内需株が軒並み下げ、
ゴム製品、非鉄金属、などの景気敏感・素材系が買われ、
電気機器、機械などの輸出関連にもしっかり買いが入りました。
商いは13営業日ぶりに2兆円を超えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆215億円、
売買高は12億762万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1970、
値下がりは144、変わらずは35でした。
全体の9割超が上昇しました。
日経の日足は実体の大きい陽線を形成、
前日の終値から上放れしてそのまま上昇するギャップをあけました。
8/22,8/23の直近高値を超えてきて、
8/9の高値も視野に入れる範囲まで上昇しました。
ここで再び下げる8/5からスタートしたボックスの中に戻ることになり、
8/15,8/26の安値を再び念頭に入れて調整に入ります。
その反対に上に抜けて8/5の高値までぬけてくると
21,000円にむけての動きを始めることになります。
ボックスの上限に達した分、再び下に振れる
動きになる可能性も高いので、
来週以降の動きを見ながらポジションを増やしていくのが賢明でしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日の最後では「トランプ氏がまた違う爆弾を
仕掛けてきそうなタイミングでもあるので
積極的にポジションを作るのは難しいタイミングではあります。」と解説しました。
大きな爆弾ではありますが、上向きの発言が出たことで
米日、両方の市場が幅のある上昇を達成しました。
日本は上昇したものの前場の終値から3円高で終わり、
やはり上値が思い様子を見せました。
今週は波乱連続の動きを見せて、最後に上昇したものの
先週の終値を超えることができず、
安値はより低く切り下げる、波乱含みの持ち合いが続きました。
来週の動きも明確な方向性に欠ける
波乱含みの動きになるでしょう。
注目のイベントは9月1日と9月6日、
9月1日に対中関税第4弾が発動され、
具体的には1100億ドル分に15%の追加関税を課することになります。
目新しい材料ではありませんが、今回は米国の消費者関連の品目が含まれることから
米国内の景気への影響、国内の世論の流れなどが市場に影響を及ぼします。
ただし、週末の間にトランプ氏が公言している「違うレベルの合意策」が
出てくる場合は話が別で、市場は抑圧されたエネルギーを一気に
上に向かって噴出することになります。
9月6日は米国雇用統計、
8月2日に発表された7月の雇用統計は
非農業部門の雇用者数が16万4000人増、
ただし、5月と6月を合わせた雇用者数は4万1000人が下方修正されました。
爆発的な増加ではありませんが、
雇用の創出は底堅く推移し、労働時間の減少と賃金が上昇、
労働市場が堅調であることを示しました。
今回も雇用市場の創出機能が底堅く維持されているか、
今後の利下げに影響を及ぼすレベルの結果になるかが注目されます。
その他、2日は米国市場が休場で方向感が出にくいこと、
3日に米国の8月ISM製造業景気指数、
4日に同国の7月貿易収支、5日の8月ISM非製造業指数など
景気動向を示す指標が数多く発表されることから
ニュース一つで大きく動く相場は続きそうです。
その中で、今週から注目するように説明した
マザーズは本日大きく切り返してきたので、
ファンダメンタルズ的に堅実な銘柄を中心に物色を進めましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,704.37 +243.44(1.19%)
ドル・円
106.31 – 106.32 +0.21(0.19%)
ユーロ・円
117.46 – 117.50 -0.12(-0.10%)
ユーロ・ドル
1.1050 – 1.1053 -0.0032(-0.28%)
NYダウ工業株30種(ドル)
26,362.25 +326.15(1.25%)
S&P500種
2,924.58 +36.64(1.26%)
ナスダック
7,973.394 +116.512(1.48%)
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