2019年10月02日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比106円63銭(0.49%)安の2万1778円61銭でした。
10年3ヶ月ぶりの低水準を記録したISM指標を背景に
大幅に下落した米国市場の流れを引き継ぎ、
香港のデモも地政学的なリスクを意識させた結果、下げてスタート。
売りが一巡した後は押し目を拾う動きで下げ幅を縮小させながら引けました。
ファンダメンタルズ的には景気減速が予想される中、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比343ドル79セント(1.3%)安の2万6573ドル04セント、
ナスダック総合株価指数も反落して
前営業日比90.653ポイント(1.1%)安の7908.685で取引を終えました。
景気の先行きに懸念を持つような指標が発表され、
景気敏感銘柄を筆頭に売りがでました。
ISM9月の製造業景況感指数が10年3カ月ぶりの低水準で、
2ヶ月連続で50を下回った(47.8)ことで
投資家心理が後退、300ドルを超える売りにつながりました。
景気敏感銘柄に加えて、
長期金利の低下で利ざや縮小が収益に影響を及ぼすことが
予想される金融銘柄にも売りが広がりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場の大幅な下落、
香港のデモなど悪材料の影響で売りが先行、
下げ幅を160円以上に広げる場面まで進みました。
日本市場に対する割安感がまだ消えた訳ではなく
売りが一巡した後は節目を拾う動きも出てきて、
下げ幅を縮小しながら取引を終えました。
香港のデモで為替相場は円高傾向から抜け出せてないことから
自動車、機械、精密機器などの輸出関連銘柄に売りが大きく、
ガラス、電気機器などの景気敏感セクターにも売りが続きました。
商いは小幅ではありますが、再び2兆円を超えるところまで回復、
東証1部の売買代金は概算で2兆872億円、
売買高は11億7164万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1007、
値上がりは1057、変わらずは87でした。
日経の日足は前日の終値から下放れスタート、
上下ヒゲを持つ短陽線を形成しましたが、
下向けのギャップをあけました。
先週末から「波乱含みの下値の固い相場」を予想していたので、
その通りの動きですが、
7、8月の持ち合いのような形になってきたので、
そろそろ上に抜ける材料が欲しいところです。
方向感はない週になっていますが、
下値も固いので、あまり悲観的になるような流れでもありません。
ある程度下げて、9/11の終値まで進んでも
ギャップ埋めの過程なので、そこまで驚くこともないでしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
小さいパニックの売りが出てもおかしくはない
外部環境でしたが、意外な強さ
という表現がふさわしい相場の動きでした。
米国のISM指標は10年3カ月ぶりの低水準を記録して
300ドルを超える下落、
実弾発砲を伴う香港のデモで地政学リスクが高まり、
パニックまではいかないにしても、
幅の大きい売りがでるような環境で引けでは戻して終わっているので
まだ強さは残っています。
大きな話題になっていませんが、見逃してはいけないのは
本日発表された消費者態度指数(季節調整値)は
前月比1.5ポイント低下した35.6。
8年3カ月ぶりの低水準を記録したので、
懸念していた日米中など主要国の景気は確実に減速に向かっています。
この中で日本株が割安のレベルというのも
いつまで守れられるかは不透明なのが現実。
特に3日の9月のISM非製造業指数、4日の雇用統計と
市場を揺るがすような指標が相次いでいるので、
景気敏感、輸出関連には変動性が高い動きが予想されます。
今週末まではディフェンシブ、内需関連の方に注目するのが
賢い戦略になるでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,778.61 -106.63(-0.49%)
ドル・円
107.80 – 107.81 -0.54(-0.49%)
ユーロ・円
117.78 – 117.82 -0.18(-0.15%)
ユーロ・ドル
1.0926 – 1.0929 +0.0038(0.34%)
NYダウ工業株30種(ドル)
26,573.04 -343.79(-1.27%)
S&P500種
2,940.25 -36.49(-1.22%)
ナスダック
7,908.685 -90.653(-1.13%)
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