2019年11月5日の東京株式市場は大幅に反発しました。
終値は前営業日比401円22銭(1.76%)高の2万3251円99銭でした。
雇用統計が市場予想を上回り、景気の強さをみせ、
米中の貿易協議関連でポジティブ材料が出て米国市場が上昇したことを受け、
円安まで加わった日本株は上昇幅を広げました。
2018年10月以降の高値で、年初来高値を更新しました。
過熱感と上値を追う買い方、どちらをとるかを含めて
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比114ドル75セント(0.4%)高の2万7462ドル11セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比46.802ポイント(0.6%)高の8433.200で取引を終えました。
米中貿易協議に進展があることが伝わり、
先週末にあった雇用統計の結果も踏まえて、
投資家心理が強気に傾きました。
雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想の9万人増に対して、
12万8000人増となり、雇用情勢の固さが確認されました。
米国のメディアは米中の部分合意のサインがアイオワ州で
行われる可能性が高いと報道、
市場はポジティブな反応を示しました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向】
日本市場は外部環境が一気に改善したことで
大幅な上昇でスタートしました。
先週末の雇用統計は景気の底固さを示す水準で、
米中関係においても関税の一部撤回が報道されるなど
不透明感が大幅に払拭される材料の影響で上昇幅を伸ばしました。
終値レベルでは2018年10月以降の水準まで上昇して
23,000円台を固めながら、24,000円台を目指す流れとなりました。
米国市場で中国関連銘柄が物色されたことを背景に
中国関連、輸出関連など、景気敏感セクターを中心に
大きく上昇、33業種すべてが上昇しました。
商いは3兆円を超える活況で、
東証1部の売買代金は概算で3兆554億円、
売買高は16億6076万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1743、
値下がりは356、変わらずは55銘柄でした。
全体の8割超が上昇する全面高の様子でした。
日経の日足は上向きのギャップをあけ、
上髭付きの陽線を形成しました。
終値レベルでは2018年10月10日以降の高値を形成、
同年10月1日、2日に形成した24,000円台の高値圏を
目指して上昇を継続していく流れになりました。
直近1年で戻り待ちの売りが待っているところまで
進んだことで上値は抑えられましたが、
この抵抗を上抜く挑戦を2-3回に渡って行った後、
上に抜けると、上昇勢いは増します。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
米国の上昇幅から考えると、日本市場の上昇は
予想を超える強さという印象を受けやすいでしょう。
しかし、連休の間の上昇で全指数が最高値を更新したことを考えると
年初来高値更新くらいはあってもいいのではないでしょうか。
ここからの行動が外国人と日本人で別れます。
過熱感を意識した国内の投資家はそろそろ利益確定と、
売りに回りがちですが、
外国人は明確な調整入りのサインが出ない限り、
上値を追いながら買っていきます。
本日の商いを伴った全面高をみると、
現在の高値付近に形成されている抵抗を上に抜けると
値動きが軽くなると思うのがよいでしょう。
決算結果が失望されたアドバンテストの大幅高を始め、
「とにかく何か買わなきゃ」という焦りも見えるので、
一回下げる動きが出た場合は、一回しっかり利益を確定して
新たに買っていくのも戦略として有効です。
明日はソフトバンクG、旭化成、SUMCO、など、注目度の
高い決算発表が待っているので、
情報通信・化学・半導体部門などが動意付きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円)
23,251.99 +401.22(1.76%)
ドル・円
108.84 – 108.85 +0.89(0.82%)
ユーロ・円
121.13 – 121.17 +0.62(0.51%)
ユーロ・ドル
1.1129 – 1.1132 -0.0034(-0.30%)
NYダウ工業株30種(ドル)
27,462.11 +114.75(0.41%)
S&P500種
3,078.27 +11.36(0.37%)
ナスダック
8,433.200 +46.802(0.55%)
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。
http://www.tbladvisory.com/topics/