2019年11月14日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比178円32銭(0.76%)安の2万3141円55銭でした。
FRBパウエル議長が議会証言で、現状の金融政策を維持すると発言、
米国市場は史上最高値の更新で受け取りました。
日本市場はGDP成長率や中国の経済指標が市場予想を下回ったことで
景気の先行き不透明感が高まり売りが広がりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は上昇しました。
ダウ工業株30種平均は上昇して、
前営業日比92ドル10セント(0.3%)高の2万7783ドル59セント、
ナスダック総合株価指数は続伸して
前営業日比2.20ポイント(0.1%)高の3094.04で取引を終えました。
朝方は「関税が米中の部分合意の妨げになっている」など、
ネガティブなニュースが流れたことで、売りが先行、
104ドル安まで下げる場面がありました。
売りが進んだ後はすぐに上昇に転じました。
注目を集めていたパウエル議長の証言で
「金融政策は現状が適切」と発言、
市場は当面は利上げに動かないと受け止められ、
買いが進みました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場のポジティブ材料を活かすことができませんでした。
経済指標が予想より悪化したことが
投資家心理を悪化させたのが要因です。
朝方発表された7~9月期の実質GDP速報値が、
市場予想0.8%増に対して前期比・0.2%増(年率)で
予想を下回りました。
また午前発表された中国の10月工業生産高、
10月小売売上高が市場予想を下回る結果になったのも、
市場をさらに悪化させました。
情報通信、水産の2業種以外はすべての業種が下げ
中国関連、輸出関連銘柄に厳しい売りが出ました。
東証1部の売買代金は概算で2兆2436億円、
売買高は14億40万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1726、
値上がりは371、変わらずは57でした。
日経の日足は2日連続で高値と安値を切り下げ、
上下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
本日の実体が大きく、投資家は利益確定の売りを急ぎ始めています。
前日は「明日も本日の高値を割り込んで下げ始めると
調整入りになり、下げが2-3日加速することが予想されます。」と解説、
その通りの流れです。
終値では一目均衡表の転換線まで戻して終わりましたが、
安値では23,062円と、23,000円の節目まで近づいてきました。
流れは調整に入ることになります。
下げる場合は23,000円付近で下げ止まるか、
またはギャップを開けた前回の終値(11/01の終値)が
下げ止まるかが確認ポイントになります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
孫さんはなにかしてくるだろう、
直近のソフトバンクの決算をみて薄々と思っていたことですが、
本日の日経「特報」で飛んできたのは
ラインとヤフーの経営統合です。
「その手があったのか・・・」
市場よりもこちらの話題で1日中騒がれたほどですが、
もちろん市場も反応、
ZHD、LINEが大幅高、ソフトバンクグループ(SBG)も
上昇するなど、市場はポジティブに受け止めています。
数年前かのE-Accessの買収、英国ARM買収発表で
大暴落した時と比べると大きな違いです。
連日の3桁下落で、心配になる個人投資家も多いと思いますが、
23,500円を超えた日から調整に入り、
その日の移動平均乖離率(25日)も5%近くあったことを考えると
調整が入って当然という位置でもあります。
この後の動きは節目の22,000円を突破した9/19から
10/3にかけての動き、その後25日移動平均線付近で反発した
動きを参考にすると容易に想像がつきます。
明日までは上値が重くなる可能性が高いので、
新規の買いは抑えて、
空売りのポジションも短期で利益を確定していく戦略に徹してください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,141.55 -178.32(-0.76%)
ドル・円
108.72 – 108.73 -0.34(-0.31%)
ユーロ・円
119.71 – 119.75 -0.31(-0.25%)
ユーロ・ドル
1.1011 – 1.1014 +0.0006(0.05%)
NYダウ工業株30種(ドル)
27,783.59 +92.10(0.33%)
S&P500種
3,094.04 +2.20(0.07%)
ナスダック
8,482.101 -3.990(-0.04%)
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