2020年2月3日の東京株式市場は大幅に下落しました。
終値は前営業日比233円24銭(1.01%)安の2万2971円94銭でした。
新型肺炎の拡大懸念で米国市場が大きく下落、
日本市場も売りが先行してスタート、中国市場が大きく下落することが確認されると
下げ幅を広げました。
中国の金融政策発表など、過度な警戒感の後退により
下げ幅を縮小させながら引けましたが、この先も変動性の高い相場が予想されるため
警戒は引き続き必要です。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に下落しました。
ダウ工業株30種平均は下落して、
前営業日比603ドル41セント(2.1%)安の2万8256ドル03セント、
ナスダック総合株価指数も下落して
前営業日比147.998ポイント(1.6%)安の9150.936で取引を終えました。
緊急事態宣言になった新型肺炎の拡大懸念が
収まる気配はなく、世界景気への影響が懸念されました。
投資家心理が悪化され、景気に影響されやすい
景気敏感業種が強く売られました。
長期金利が3ヶ月物金利を下回る「逆イールド」が拡大したことは
投資家心理をさらに冷やし、
引け間際において下げ幅を拡大させました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場の大幅な下落を受け
売りが先行してスタートしました。
春節明けでスタートした上海市場が一時9%の下落を記録すると
日経は下げ幅を拡大、400円超の下げ幅を
見せる場面もありました。
中国人民銀行(中央銀行)が金融市場に
1兆2000億元(約18兆7000億円)を供給するなど、
景気対策が発表されると下げ幅を縮小しましたが
3ヶ月ぶりの安値を記録することは回避できませでした。
電気・ガス業のみが上昇し、32業種すべては下落、
証券、その他金融を始め、金融関連が売られ、
海運、鉄鋼などの景気敏感業種にも売りが強くみられました。
東証1部の売買代金は概算で2兆5654億円、
売買高は13億5797万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1658、
値上がりは437、変わらずは64銘柄でした。
日経の日足は上下ひげを持つ陽線を形成しました。
下ヒゲの方が長く、形では弱気は見られませんが、
下向きのギャップをあけてからの形なので、
弱い流れであること変わりはありません。
先週の動きは75日線を抵抗に変えさせたことになり、
「来週は本日の安値を割り込み、
再び下げ始めるかが確認ポイントです。」と解説した
先週末の確認ポイントは実際に現れました。
さらに下がる場合は、22,700円に位置する
先行スパン2で止まるかが確認事項になり、
そのポイントまですぎると22,500まで円が視野にはいります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
新型肺炎の影響はますます拡大しています。
米国市場の大きな下落から
週末の間にはすでに大きな下落スタートが予想されていました。
空売りを仕掛けて保持していた場合は
大きな利益を得ることができたと思います。
現在はマスク関連の一部銘柄を除いては
買いで物色できるような銘柄は少なくなっています。
無理をして買いを探す場面ではないでしょう。
現状は順張りが強い力を発揮します。
ここからの確認事項は冷静を取り戻せるか、でしょう。
米国、上海、どちらも大きく下落することに
驚いてあたふたしてはまだ市場に慣れたと言えません。
当然起こることとして、
対策まで考えられるようになるのが必要です。
先週末に説明したとおり、
「週末の米国市場が安定した動きをみせ、
日本企業の業績も好調ぶりが確認されると
短い反動から来る上昇がみられますが、
新型肺炎による景気への影響はまだ数字として現れてないので、
中・長期的な保持を考えている銘柄はより詳細な分析が必要になります。」として、
明確な反転のサインが見られるまで空売りは保持、
トレードも空売りを中心として考えてください。
現在の状況を受けて「1日丸ごと空売りセミナー2020年版」の
開催リクエストメールが殺到していますので、
数日中に開催詳細をご案内します。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,971.94 -233.24(-1.01%)
ドル・円
108.48 – 108.49 -0.55(-0.50%)
ユーロ・円
120.27 – 120.28 +0.04(0.03%)
ユーロ・ドル
1.1084 – 1.1087 +0.0057(0.51%)
NYダウ工業株30種(ドル)
28,256.03 -603.41(-2.09%)
S&P500種
3,225.52 -58.14(-1.77%)
ナスダック
9,150.936 -147.998(-1.59%)
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