2020年2月21日の東京株式市場は3営業日ぶりに反落しました。
終値は前営業日比92円41銭(0.39%)安の2万3386円74銭でした。
米国市場が反落して、日本市場は3連休に備えての
ポジション調整が進みました。
午後に入ってアジア市場が軟調な動きになったことを受け、
100円を超える下落幅も見られましたが、
円安基調が市場を支えて2桁の下落で今週の取引を終えました。
一進一退が続く市場の中、
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比128ドル05セント(0.4%)安の2万9219ドル98セント、
ナスダック総合株価指数も反落して
前営業日比66.215ポイント(0.7%)安の9750.965で取引を終えました。
新型肺炎の影響で中国が企業の休業を
3月10日まで延期、
韓国、日本で感染者数が増加するなど
終息がみえないということで投資家心理が悪化しました。
下げ幅を388ドルまで下げる場面もありましたが、
ディフェンシブセクターを中心に押し目を拾う買いが入り、
下げ幅を縮小させながら取引を終えました。
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【日本市場の動向】
日本市場は方向感の定まらない流れで下落しました。
3連休を前にして持高を調整する売りが出る
週末+連休前の要因、
新型ウイルスの感染拡大が景気に及ぼす
影響に対する懸念という要因、
アジア市場が総じて軟調な動きになった要因などが
市場を押し下げましたが、
下値はまだ固く、円安傾向も市場支えて、
引け間際では下げ幅を
縮小させながら今週の取引を終えました。
精密機器、海運業、鉄鋼などの
景気敏感業種が売られる一方、
水産、食料品などの内需の一角も
円安の要因で売られました。
東証1部の売買代金は概算で2兆968億円、
売買高は11億5539万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1094、
値上がりは946、変わらずは120銘柄でした。
日経の日足は長い上ヒゲを持つ短陰線を形成しました。
高値では75日線、25日線を超えるところまで進みましたが、
前日同様、両方の節目を下回って終わりました。
前日予告した通り、2/20の安値を割り込み終わったので、
2/20が高値を切下げたことになり、
下げが進む流れになりました。
来週さらに下落する場合は、
2/18の安値を割り込んで、安値の切り下げまで
現れるかが確認のポイントとなります。
こちらまで割り込む場合は
当分の下げトレンドは盛られないでしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週は一進一退が続く展開となりました。
方向感が定まらないので、
今週の相場は苦しかったという声がよく聞こえましたが、
動きとしては「苦しくてもおかしくない」流れでした。
来週も一進一退の動きは変わらないと予想します。
新型肺炎の感染者数が拡大することで、
中国で全国人民代表大会(全人代)が延期されるかが注目されます。
日本でも多くのイベントがキャンセルか
見送りになる中、
経済政策の決定が遅れることを意味する全人代の延期は
株式市場に悪影響を与える可能性が高いでしょう。
一方、先週分析した通りに売りを重ねてきた
インバウンド関連には自律反発が見られるタイミングです。
自律反発狙いの買いは短期に行うことが主要な戦略で、
まだ収まらない新型肺炎に関連するニュースが飛び出る場合は
インバウンド系は急速な下降圧力を経験することになるので
注意が必要です。
もう一つ注意する領域は輸出関連、
112円まで急速に進んだ円安傾向が3連休の間で
一服することになると、市場を支えてきたトヨタ自動車などに
変調をきたす可能性があります。
しばらく不安定な動きは「当然」と思った方が
気が楽になるでしょう。
3連休、たまには相場も新型肺炎も忘れて、
二日酔いになるくらい飲んでみるのもいいのではないでしょうか。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,386.74 -92.41(-0.39%)
ドル・円
111.92 – 111.93 +0.24(0.21%)
ユーロ・円
120.79 – 120.80 +0.29(0.24%)
ユーロ・ドル
1.0790 – 1.0793 ±0.0000(0.00%)
NYダウ工業株30種(ドル)
29,219.98 -128.05(-0.43%)
S&P500種
3,373.23 -12.92(-0.38%)
ナスダック
9,750.965 -66.215(-0.67%)
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