2020年7月1日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比166円41銭(0.75%)安い2万2121円73銭でした。
前日の大きな上昇から売りが先行してスタートした米国市場は
市場予想を上回る経済指標でプラスに転換しました。
日本市場は内外のリスク材料が市場を圧迫、
テクニカル分析上でも重要な節目を下回る軟調ぶりでした。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比217ドル08セント(0.8%)高の2万5812ドル88セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比184.61ポイント(1.9%)高の10058.77で取引を終えました。
朝方は前日の大きな上昇があったことから
利益確定が優先され、売りが先行してスタート、
下落する場面がみられました。
その後は消費者信頼感指数など市場予想を超える
経済指標が発表され、景気回復への期待から
買いが戻って上昇しました。
アマゾン、マイクロソフトなど主力銘柄が上昇した
ナスダックは再び史上最高値への挑戦にでました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場とは裏腹に
内部・外部の要因の悪化が目立ちました。
東京の感染者数が緊急事態宣言解除後の最多を更新する
60人超えまで拡大、経済活動への影響が懸念されました。
外部的には香港国家安全維持法が成立したことで
米中の対立激化が懸念されるなど
ファンダメンタル面での悪材料が
足元を引っ張りました。
33業種すべてが下落する中、
繊維、ゴム、パルプなどの素材系に売りが集中、
食料品、建設などの内需の一角も売りが広がりました。
医薬品は前日に続き下げが厳しく、
下落率1位の業種に転落しました。
日経の日足は上下ひげを持つ陰線を形成しました。
前日より高値と安値を切り下げ、形でも上昇です。
25日移動平均線の下でスタートして、
一回も超えることなく、取引を終えました。
前日は「実体で25日移動平均線を越えてこないと
抜けたとは言えない、つまり、25日移動平均線が
抵抗として働くことになります。」と解説、
25日移動平均線が抵抗に変わる動きが1回でたことになります。
この2週間の動きは6/16の大陽線の中で動く
持ち合いと解釈することができ、
その安値か、高値を抜ける方向にトレンドが発生する見込みです。
東証1部の売買代金は2兆351億円、
売買高は11億8497万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1849、
値上がりは274、変わらずは46銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
業種別の動きを見ると、
現在の投資家心理が見えてくる場合があります。
「見えてくる場合がある」というよりは
よく見えてきます、というのが正しい表現でしょう。
33全業種が下落する中でも
石油・石炭、鉄鋼など景気敏感セクターはよく守った方で、
最大の下落となった医薬品は内需系、
米中対立の激化が懸念されるリスク市場では
反対の現象が見られるのが普通です。
とりあえず材料がある銘柄を物色してみようと、
「いきあたりばったり」という心理が
かなり強く働いているのではないでしょうか。
さらに投資家を敏感にさせる指標2つがこれから。
今夜のISM製造業景気指数、明日が雇用統計と
なかなか見られないスケジュールで、
米国市場の反応を見極めたいとの心理が働き、
方向感の定まらない動きは強まる可能性が高いでしょう。
毎日何を買うかと渇いた雑巾を絞るように
捻り出すよりは、一方下がって、
米国指標の結果を見極める余裕を持つのも
ときには必要ではないでしょうか。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,121.73 -166.41(-0.75%)
ドル・円
107.36 – 107.37 -0.36(-0.33%)
ユーロ・円
120.30 – 120.31 -0.59(-0.48%)
ユーロ・ドル
1.1204 – 1.1206 -0.0018(-0.16%)
NYダウ工業株30種(ドル)
25,812.88 +217.08(0.84%)
S&P500種
3,100.29 +47.05(1.54%)
ナスダック
10,058.766 +184.613(1.86%)
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