2020年8月20日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比229円99銭(1.00%)安の2万2880円62銭でした。
公開されたFOMC議事要旨で追加の金融緩和が期待しづらいとの
見方が広がると米国市場が下落、
日本市場もその流れを引き継ぎ、売りが先行してスタートしました。
過熱感が意識されたナスダック市場が反落し、精密機器、部品系は
調整を余儀無くされましたが、予想した通りの動きでした。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は下落ました。
ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、
前営業日比85ドル19セント(0.3%)安の2万7692ドル88セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して
前営業日比64.38ポイント(0.6%)安の1万1146.46で取引を終えました。
7月28~29日開催分のFOMC議事要旨が発表され、
景気の先行きに対する不透明感が強まると同時に、
追加の緩和策に前向きではないことが伝わり
投資家心理が悪化しました。
アップルの快進撃が続き、米国企業では史上初
時価総額2兆ドルの大台に乗せましたが、
ハイテク関連には利益確定の売りが出たことで
ナスダックの最高値更新がストップしました。
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【日本市場の動向】
日本市場は材料不足の中、
取引も閑散となる中で、調整入りの色を強めました。
FOMC議事要旨を背景に米国市場が下落、
日本市場にも売りが進みました。
3桁以上の下げの際に期待される
日銀によるETF買いが午後になっても
期待薄との観測で、下げ幅を大きく縮小することができず
200円を超える下げ幅を記録、
1週間ぶりに2万3000円を割り込んで取引を終えました。
空運業、鉄鋼、保険業の3業種のみが上昇、
29業種が下落しました。
前日に引き続き電気機器、精密機器、金属製品が売り込まれ、
不動産にも厳しい売りが広がりました。
日経の日足は上下ひげを持つ陰線を形成しました。
高値と安値を切り下げ、
形でも下げになりましたので、調整継続です。
前日は「本日の上昇は明確に上げたと言うよりは、
下げ止まりで、下値が固いと言うことを
見せてくれたことに意味があります」と解説、
やはり明確に上げたことにはならず、
調整が続きました。
ボリンジャーバンドの+1σの支えが崩れて、
次の目安にしていた8/12の終値で本日の安値が止まりました。
ここでトレンド転換して切り返すか、
さらに下落して25日移動平均線を目指すかの岐路に立っています。
商いは4日連続で2兆円を割り込みました。
東証1部の売買代金は概算で1兆7748億円、
売買高は9億4567万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1633銘柄、
値上がりは444、変わらずは96銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日「ナスダックはかなり高い位置で
過熱感が意識されるところまで来ているので、
精密機器、部品系は引き続き注意が必要です。」と
予想した通り、ナスダックは最高値更新がストップ、
半導体関連も売られました。
日本市場も予想した通り、精密機器、部品系が売り込まれ、
市場全体として200円を超える下げ幅、
23,000円を割り込み、22,900円を保つこともできませんでした。
かなり厳しい動きではありますが、
そこまで悲観するような材料も見当たらないことから、
下値が固く、反転のタイミングは近いと予想します。
FRBがYCC(イールドカーブ・コントロール)に
否定的な認識を示すなど、
追加の金融緩和に対する期待が薄くなったことで、
デジタル経済への依存度は変わらないのが明確に見えるので、
ナスダックが調整を経て、
反転してくる時は、本日押された業種は
むしろ押し目買いと考えてよいでしょう。
ただし、25日移動平均線までの調整は考慮しておく
必要があります。
これがみえていると、少し下がるから焦るようなことななくなるでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,880.62 -229.99(-1.00%)
ドル・円
105.99 – 106.00 +0.57(0.54%)
ユーロ・円
125.40 – 125.41 -0.43(-0.34%)
ユーロ・ドル
1.1830 – 1.1832 -0.0106(-0.88%)
NYダウ工業株30種(ドル)
27,692.88 -85.19(-0.30%)
S&P500種
3,374.85 -14.93(-0.44%)
ナスダック
11,146.461 -64.382(-0.57%)
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