2021年3月8の東京株式市場は3営業日続落しました。
終値は前営業日比121円07銭(0.42%)安の2万8743円25銭でした。
市場予想を上回る雇用統計の結果を背景に米国市場は大きく反発、
日本市場はその流れを引き継ぎ、買いが先行してスタートしました。
上昇幅が400円近くなる場面もありましたが、
米国の長期金利上昇に対する懸念は根強く、
アジア市場も軟調な動きになったことを受けてマイナスに沈んで終りました。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発して、
前営業日比572ドル16セント(1.9%)高の3万1496ドル30セント、
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発して
前営業日比196.676ポイント(1.5%)高の1万2920.148で取引を終えました。
堅調な雇用情勢が確認され、
投資家心理が改善しましたが、上値は抑えられました。
2月の雇用統計は
非農業部門雇用者数が市場予想の21万人増に対して
37万9000人増加、
失業率は市場予想の6.3%に対して
小幅に低下した6.2%と景気回復への
期待を持たせる内容となりました。
一方、米国の長期金利が1.6%台を再び超え、
813円高まで進んだダウ指数の
上値を押さえました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が反発して上昇したことを受け、
買いが先行してスタートしました。
上げ幅は400円に達する場面もありましたが、
様子見ムードが広がり、
上昇分をすべて打ち消すところまで戻し、
マイナスに沈んで終わりました。
長期金利の上昇が止まってないこと、
アジア市場も軟調な動きになったことを受け、
マイナス幅は3桁に達しましたが、
下げ幅も限定されました。
ハイテク関連、半導体関連が厳しく、
鉄鋼、保険、証券の一部が上げて、
ネット系の銀行には目立つ動きが見られました。
日経の日足は上下ひげを持つ陰線を形成しました。
先週末の終値から上離れしてスタート、
25日移動平均線まで近づいていきましたが、
高値てもわずかに届かず、
反転して下げる展開になりました。
3月4日に続いて25日移動平均線が
レジスタンスになっています。
形では上昇ですが、
本日の安値を割り込んで明日も下落する場合は、
3月2日に続き、高値を切り下げることになりました。
東証1部の売買代金は概算で2兆9862億円、
売買高は15億1102万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は889、
値上がりは1211、変わらずは94銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
本日の動きで金利上昇に対する警戒感、
景気動向に対して市場が敏感に反応しているのが分かります。
先週末の解説通り、米国は16-17のFOMC、
日本では18-19の日銀金融政策決定会合で
会議の内容によって金利への影響がどれだけあるのか
そこまでは積極的に売りか、買い、
どちらにポジションを傾けることは難しいと
思っている心理が見えます。
それが反映され、上昇スタートとなったものの、
「また金利上昇がきたら?」と気になり
上昇幅をなくす、
マイナスに沈んでも「でもこのまま売り続けていい?」という心理で
歯止めがかかる、これが今週の動きも神経質になると
予想した理由です。
前日の空売りセミナーでは現在の市場状況に対する議論もあり、
こんなに動きが読めない状況ではロスカットだけが
重なるのでやる気が失せるという気持ちもありました。
その通り、暴落するよりも悪いのは
方向感がないことですが、よく市場を見ると、
実は方向感のない時間帯の方が長いことに気づくはずです。
市場の動きになわせるなら、徹底的に短期で勝負するか
観望して、動きが見られてから戻ってくるのもありです。
それができるのが個人投資家の強みでもあります。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,743.25 -121.07(-0.42%)
ドル・円
108.38 – 108.39 +0.12(0.11%)
ユーロ・円
129.11 – 129.13 -0.25(-0.19%)
ユーロ・ドル
1.1912 – 1.1914 -0.0037(-0.30%)
NYダウ工業株30種(ドル)
31,496.30 +572.16(1.85%)
S&P500種
3,841.94 +73.47(1.94%)
ナスダック
12,920.148 +196.676(1.54%)
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