2021年3月10日の東京株式市場は小幅で続伸しました。
終値は前営業日比8円62銭（0.03%）高の2万9036円56銭でした。
長期金利の上昇一服、追加経済対策への期待を背景に米国市場が上昇、
日本市場はその流れを引き継ぎました。
ナスダック市場の大幅な上昇で、精密機器、半導体関連に上昇が見られましたが、
午後に入って方向感を失い、上昇幅を縮小、方向感のない動きで終りました。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反発で、上昇しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比30ｾﾝﾄ（0.1%）高の3万1832ﾄﾞﾙ74ｾﾝﾄ、
ナスダック総合株価指数は大幅に反発して
前営業日比464.664ﾎﾟｲﾝﾄ（3.7%）高の1万3073.825で取引を終えました。
ナスダック総合株価指数の上昇率は今年最大でした。
1.6%台まで進んだ長期金利の上昇が一服し、
投資家心理が改善しました。
特に長期金利の上昇によって
押されていたハイテク関連の銘柄に買いが戻りました。
ダウの上昇幅は347ドルに達する場面もありましたが、
早速利益確定の売りが出て、
上げ幅を急速に縮小させながら取引を終えました。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【日本市場の動向】
日本市場は米国市場の上昇要因が引き継ぎましたが、
午後に入って失速することで
米国市場に似た動きを見せました。
長期金利の上昇一腹、追加経済対策への期待などが
市場を押し上げ、
上げ幅は200円を超える場面もありましたが、
長期金利上昇の懸念はまだ残っており、
午後に入ると方向感のない展開に終始しました。
ナスダックの上昇を受け、電気機器、機械など
ハイテク・半導体関連セクターが物色され、
医薬品、その他製品、陸運業もしっかりでした。
日経の日足は上下ヒゲをもつ短陰線を形成しました。
高値と安値は切り上げて、
形では上昇となりました。
25日移動平均線が意識されるのは間違いありませんが、
本日は高値でもほど遠いところにとどまって、
小動きに終始しました。
25日移動平均線を下に割り込んだ
3月4日からはボリンジャーバンドの-1σと
25日移動平均線を挟んでの持ち合いとして見ることができます。
上か下、どちらか抜ける方向に進みやすくなりますので、
注意して観察する必要があります。
東証1部の売買代金は概算で2兆8999億円、
売買高は13億9336万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は879、
値下がりは1218、変わらずは97銘柄でした。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【日本市場の総合分析： 今後の投資戦略】
前日はタイミングよく「テクニカル的に厳しくても29,000円に乗せたのは
心強いと思い、グロース株に資金が
循環することも考えられるので、
物色の目を向けてみるのもよいでしょう。」と解説、
米国市場ではグロースの代表、
ナスダック市場が今年最大の上昇幅を記録しました。
日本でもアドテスト、信越化、ファナック、日本電産に
安川電気など、精密・半導体関連の多くが物色されました。
もちろんこれで安心というレベルには
全然達しておりません。
むしろ長期金利の上昇一腹により
再び爆弾がセットされた感じすらあるので、
グロースに物色の目が向かったといっても
長続きするとは考えにくい現状です。
循環は継続するので、スウィングトレードは
トレードサイクルが短くなりがちです。
ゴム製品、ガラスなど素材系は
過熱が意識されるレベルに近づいたので、警戒が必要、
自動車部門はすでに短期の過熱感解消に入る様子です。
倉庫・運輸関連は新高値を記録する
銘柄が続いているので、高値圏からの追跡として物色するのもよいでしょう。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【各市場の動き】
日経平均（円）
29,036.56 ＋8.62(0.03%)
ドル・円
108.88 – 108.90 ＋0.08(0.07%)
ユーロ・円
129.24 – 129.26 －0.02(－0.01%)
ユーロ・ドル
1.1868 – 1.1870 －0.0012(－0.10%)
NYダウ工業株30種（ドル）
31,832.74 ＋30.30(0.09%)
S&P500種
3,875.44 ＋54.09(1.41%)
ナスダック
13,073.825 ＋464.664(3.68%)
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。
http://www.tbladvisory.com/topics/
